2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗酸化系遺伝子改変動物を用いた母体糖尿病による胎児異常発生抑止効果に関する研究
Project/Area Number |
12470214
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
豊田 長康 三重大学, 医学部, 教授 (40126983)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 純一 大阪大学, 大学院・医学研究科, 教授 (10200156)
|
Keywords | チオレドキシン / 酸化ストレス / 妊娠糖尿病 / トランスジェニックマウス / 先天奇形 |
Research Abstract |
我が国における糖尿病患者数は急速に増大しつつあり、糖尿病合併妊娠の問題も大きくなってきている。糖尿病合併妊娠が胎児、新生児に及ぼす異常には、先天奇形、巨大児などが知られる。母体糖尿病における胎児異常の発症機序として、酸化ストレスの関与が示唆されている。 本研究では主要な抗酸化系の1つであるチオレドキシンレドックスサイクルに着目し、チオレドキシンを過剰発現するトランスジェニックマウスを作製し、胎児異常の発生の抑止効果を検討する。これまでに、チオレドキシンcDNAをインスリンプロモーターを用いて発現するトランスジーンを受精卵にマイクロインジェクションし、生まれたマウスをスクリーニングしたところ、2系統のトランスジェニックマウスが得られている。また、このトランスジェニックマウスでチオレドキシンを膵島特異的に過剰発現していることをwestern blotにより確認している。これらマウスは、繁殖を続けており、今後、ストレプトゾトシン投与により、実験的に糖尿病にしたトランスジェニック雌マウスを妊娠させ、その子宮における胎仔の発育、インスリン分泌能をチオレドキシンを発現する胎仔としていない胎仔との間で比較する。また一方で、全身的にチオレドキシンを発現するトランスジェニックマウスをベータアクチンプロモーターを用いて作製している。1匹のfounder mouseが得られており、今後これを繁殖し、上述のように、母体糖尿病における胎仔の異常への抵抗性を検討する。
|
-
[Publications] Iizuka K., et al.: "Stable overexpression of the glucose-6-phosphatase catalytic subunit attenuates glucose sensitivity of insulin secretion from a mouse pancreatic beta-cell line."J.Endocrinol.. 164. 307-314 (2000)
-
[Publications] Hotta M., et al.: "Oxidative stess and pancreatic b-cell destruction in insulin-dependent diabetes mellitus."In Antioxidants in Diabetes Management. 265-274 (2000)
-
[Publications] Nitta Y., et al.: "IL-12 plays a pathologic role in the development of diabetes in NOD mice."J.Autoimmunity. (in press).
-
[Publications] Sugaya A., et al.: "Expression of Glucose Transporter 4 mRNA in Adipose Tissue and Skeletal Muscle of Ovariectomized Rats Treated with Sex Steroid Hormones."Life Sciences. 66. 641-648 (2000)
-
[Publications] Sugaya A., et al.: "Comparison of the validity of the criteria for gestational diabetes mellitus by WHO and by the Japan Society of Obstetrics and Gynecology by the outcomes of pregnancy."Diabetes Research and Clinical Practice. 50. 57-63 (2000)