2001 Fiscal Year Annual Research Report
新たな視床下部摂食調節ホルモンオレキシンとMCHの細胞生理・分子内分泌学的研究
Project/Area Number |
12470222
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Research Institution | 宮崎医科大学 |
Principal Investigator |
松倉 茂 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (70030939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 秀樹 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10305097)
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
中里 雅光 宮崎医科大学, 医学部, 講師 (10180267)
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Keywords | オレキシン / MCH / 視床下部外側野 / 遺伝子発現 / 免疫染色 / 摂食調節 / ノックアウトマウス / in situ hybridization |
Research Abstract |
オーファン受容体であった成長ホルモン分泌促進因子受容体の内因性リガンドとしてヒトとラットの胃から発見したグレリンは、強力な成長ホルモン分泌活性に加え、摂食亢進や体重増加、消化管機能調節などエネルギー代謝調節に重要な作用を持つ。グレリンは視床下部で産生される摂食亢進ペプチドNPYとAgRPの生合成を促進し、また脂肪細胞から分泌される摂食抑制ホルモン レプチンと脳内で拮抗的に作用していた。グレリン産生細胞の形態的特徴を詳細に解析した。グレリン細胞は、既知の消化管ホルモン産生細胞とは異なる新たな内分泌細胞で、胃で2番目に多い内分泌細胞であることを報告した。グレリンが迷走神経を活性化して、胃酸分泌と胃運動能を亢進することを示した。胃機能に及ぼすグレリンの新たな生物活性を見出した。グレリンは膵α細胞でグルカゴンと共存し、β細胞からのインスリン分泌を促進する。グレリンの産生と分泌は絶食やインスリンおよびレプチン投与で促進され、摂食やグルコース負荷で抑制された。 空腹時のヒト血漿グレリン濃度は、C端抗体を用いたラジオイムノアッセイでは、148±28fmol/mlで、脂肪酸化された生物活性のあるグレリン分子だけを測定できるN端抗体を用いたRIAでは5.4±1.4fmol/mlであった。血漿グレリン濃度は肥満者で低く、神経性食思不振症のようなやせでは高く、body mass indexと逆相関を示した。 グレリン投与により、約25%のオレキシンニューロンにc-fosが発現した。グレリンによる摂食亢進作用は、抗オレキシンIgGの前投与により有意に減少した。一方、抗MCH IgGはグレリンの摂食作用に変化を認めなかった。グレリン神経線維はオレキシンニューロンに直接投射している。グレリン添加によるオレキシンニューロンの活動亢進が確認された。オレキシンノックアウトマウスへのグレリン投与による摂餌量はワイルドタイプマウスと比較して有意に低値を示した。グレリンの摂食調節機構は視床下部弓状核にあるNPY/AgRPの経路のみならず、視床下部外側野のオレキシンニューロンとの直接的な経路によっても生じていることを形態学的、機能的に明らかにした。複雑なエネルギー代謝調節機構におけるグレリン作用の理解がさらに深まった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Nondal MS, Nakazato M, Matsukara S.: "Characrerization of orexins(hypocretins)and melanin concentrating hormone in the genetically obese mice"Regul Pept,. 104. 21-25 (2002)
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[Publications] Nakazato M, Murakami N, Date Y, Kojima M, Matsuo H, Kangawa K, Matsukura S: "A role for ghrelin in the central regulation of feeding"Nature. 409. 194-198 (2001)
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[Publications] Date Y, Nakazato M, Murakami N, Kojima M, Kangawa K, Matsukura S: "Ghrelin acts in the central nervous system to stimulate gastric acid secretion"Biochem Biophys Res Commun,. 208. 904-907 (2001)
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[Publications] Nakazato M: "Guanylin family : New intestinal peptides regulating electrolyte and water homeostasis"J Gastroenterol,. 36. 219-225 (2001)
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[Publications] Date Y, Nakazato M, Hashiguchi S, Dezaki K, Mondal MS, Kojima M, Kangawa K, Arima T, Yada T, Matsuo H, Matsukura S: "Cellular distribution of ghrelin in human and rat pancreas"Diabetes,. 51. 124-129 (2002)
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[Publications] Shiiya T, Nakazato M, Mizuta M, Date Y, Mondal MS, Tanaka M, Nozoe S, Hosoda H, Kangawa K, Matsukura S: "Plasma ghrelin levels in lean and obese humans and the effect of glucose on ghrelin secretion"J Clin Endocrinol Metab,. 87. 240-244 (2002)
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[Publications] 中里雅光: "Annual Review内分泌・代謝2002"金澤康徳, 武谷雄二, 開原久彦, 山田信博. 294 (2002)