2001 Fiscal Year Annual Research Report
摂食・代謝中枢ニューロンのブドウ糖・インスリン応答機構と肥満・糖尿病における変調
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12470231
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
矢田 俊彦 自治医科大学, 医学部, 教授 (60166527)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜井 武 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (60251055)
塩田 清二 昭和大学, 医学部, 教授 (80102375)
加計 正文 秋田大学, 医学部・附属病院, 助教授 (90214270)
八木 健 大阪大学, 細胞生体工学センター・遺伝情報システム研究部門, 教授 (10241241)
鳥居 邦夫 味の素(株), 中央研究所・碁盤研究所, 主席研究員
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Keywords | グルコース / 摂食中枢 / 視床下部 / 外側視床下部 / 弓状核 / カルシウム / オレキシン / ニューロペプチドY |
Research Abstract |
【目的】血中グルコース濃度の低下は重要な摂食亢進因子さあるが、低グルコースを感受して摂食シグナルを形成する脳の部位は十分明らかにされていない。視床下部の外側視床下部(LH)と弓状核(ARC)は摂食中枢であり、それぞれ、摂食亢進ペプチドであるオレキシンとニューロペプチドY(NPY)を含有する神経が局在する。そこで、オレキシン神経とNPY神経のグルコース感受性を検討した。 【方法】7週SDラットLH、ARCより急性単離した神経細胞内Ca^<2+>濃度([Ca^<2+>])をfura-2蛍光画像解析し、グルコース濃度変化の効果を計測し、測定後の細胞を抗オレキシン・NPY抗体を用いて免疫染色し神経細胞を同定する新しい実験方法(単一細胞機能解析方法)を用いた。 【結果】LH神経細胞340個のうち、グルコース濃度の低下に対して[Ca^<2+>]増加を示すグルコース感受性神経(GSN)が71個(21%)あり、そのうち13個(18%)がオレキシン含有神経であった。ARC神経細胞180個のうち36個(20%)がGSNであり、そのうち34個(94%)がNPY含有神経であった。 【結論】LHおよびARCの神経細胞の約2割がGSNであり、GSNのうちLHでは約2割がオレキシン神経でありARCでは約9割がNPY神経である。これらの神経細胞は、低グルコース(代謝)をオレキシン・NPY(神経物質)の放出に変換して摂食を亢進する役割を担っていると考えられる。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Uramura K: "Orexin-A Activates Phospholipase C-and Protein Kinase C-Mediated Ca^<2+> Signaling in Dopamine Neurons of the Ventral Tegmental Area"NeuroReport. 12. 1885-1889 (2001)
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[Publications] Zhou C-J: "PACAP activates PKA, PKC and Ca^<2+> signaling cascades in rat neuroepithelial cells"Peptides. 22. 1111-1117 (2001)
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[Publications] Muroya S: "Lowering glucose concentrations increases cytosolic Ca^<2+> in orexin neurons of the rat lateral hypothalamus"Neurosci. Lett. 309. 165-168 (2001)
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[Publications] Koriyama N: "Free radical-mediated tolbutamide desensitization of K^+ ATP channels in rat pancreatic β-cells"Endocr J. 48. 337-344 (2001)
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[Publications] Yanagida K: "Glucose-insensitivity induced by Ca^<2+> toxicity in islet β-cells and its prevention by PACAP"Peptides. 23. 135-142 (2002)
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[Publications] Yukari Date: "Ghrelin is present in pancreatic α-cells of humans and rats and stimulates insulin secretion"Diabetes. 51. 124-129 (2002)
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[Publications] 加計正文: "Annual Review内分泌,代謝2002"中外医薬社. 294 (2002)