2002 Fiscal Year Annual Research Report
大腸腫瘍の発育進展におけるサイクロオキシゲナーゼの役割と阻害剤の作用機序の検討
Project/Area Number |
12470253
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
杉原 健一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (10171167)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植竹 宏之 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助手 (60311651)
樋口 哲郎 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助手 (90334416)
榎本 雅之 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (60301165)
|
Keywords | COX2 / 大腸癌 / 動物実験 / 癌 / 治療 / 大腸腺腫 |
Research Abstract |
1 COX-2と大腸発癌・成長の関係:散在性大腸腺腫63個からmRNAを抽出し、RTPCRによりCOX-2のmRNAを取り出し検討した。全例でCOX-2のmRNAが検出された。COX-2mRNAをCOX-1mRNAの比で半定量し手の検討では、COX-2mRNAの発現量は腺腫の大きさと相関したが(P=0.019)、部位、形態、異型度とは相関しなかった(Eur J Cancer2001;37:1469-1474)。さらに散在性大腸腺腫95個をCOX-2抗体で免疫染色にてCOX-2発現を検討した。COX-2は74%の腺腫に発現していた。発現場所は主に細胞質であった。また、35%では間質の細胞にも発現していた。細胞質でのCOX-2発現は細胞の異軽度と大きさに相関していた(P<0.001,P=0.028)(Dis Colon Rect 2003 accepted)。一方、大腸癌43例の切除標本からmRNAを抽出し、RTPCRによりCOX-2のmRNAを取り出し、COX-1のmRNRとの比で半定量し、各種病理学的因子との関係を調べた。COX-2発現は大きさと深達度に相関し(P=0.036,P=0.06)たが、部位、異型度、リンパ節転移、リンパ管侵襲、静脈侵襲、遠隔転移とは相関しなかった(Cancer Res 1998;58:4823-4826)。 2大腸癌成長におけるCOX-2阻害剤の影響:ヒト大腸高転移株をヌードマウスの皮下に移植し、COX-2阻害剤(JTE522)を経口投与した。JTE522投与群ではsulindac投与群と同様に対照群と比較し腫瘍増大を抑制した(59回癌学会)。ヒト大腸高転移株をヌードマウスの脾臓に注入した肝転移モデルに、COX-2阻害剤(JTE522)を経口投与した。JTE522投与群ではsulindac投与群と同様に対照群と比較し肝転移巣最大径、肝湿重量を減少させたが転移個数には差がなかった。 以上の観察結果から、COX-2は大腸癌の成長・増大に関与していることが推測された。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Ohno R, Sugihara K: "Depth of invasion parallels increased cyclooxgenase-2 levels patients with gastric carcinoma"Cancer. 91. 1876-1881 (2001)
-
[Publications] Hasegawa K, Sugihara K: "Expression of cyclooxgenase-2 (cox)-2, mRNA in human colorectal adenomas"Eur J Cancer. 37. 1469-1474 (2001)
-
[Publications] Sato T., Sugihara K: "Cyclooxygenase (cox)-2 expression in colorectal adeuomg"Dis Colon Rectur. (accepted).