2000 Fiscal Year Annual Research Report
抗IL2レセプター抗体、高解像内視鏡検査を用いた小腸移植治療法の確立に関する研究
Project/Area Number |
12470260
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
鶴山 竜昭 京都大学, 医学研究科, 助手 (00303842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上本 伸二 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40252449)
猪股 裕紀洋 熊本大学, 医学部, 教授 (50193628)
田中 紘一 京都大学, 医学研究科, 教授 (20115877)
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Keywords | 小腸移植 / 高解像内視鏡 / 拒絶反応 / 免疫組織染色 |
Research Abstract |
本年度は、有色ブタをドナー、白色ブタをレシピエントとした同所性小腸移植を行い、移植小腸粘膜の高解像内視鏡検査と移植小腸の病理組織学検査(免疫組織染色)を行った。免疫抑制剤非投与群における拒絶反応は高度であり、内視鏡検査で潰瘍形成と粘膜脱落が認められた。病理組織学にも大型リンパ球浸潤とクリプト細胞のアポトーシスが著明であり、通常の病理組織検査での拒絶反応の診断は容易であった。一方、タクロリムス投与群における拒絶反応の場合には、粘膜の変化は軽微なことがあり、高解像内視鏡検査でしかつかまえられない絨毛丈の低下と単位面積あたりの絨毛数の減少が拒絶反応の初期の段階の診断に有用な所見であることが判明した。これらの変化は病理組織学的にはクリプト細胞のアポトーシスが散見される軽微な変化と一致していた。さらに免疫組織染色を行うことによって、粘膜上皮のアポトーシス誘導酵素caspase、リンパ球のFasL、CD4、CD8、CD56、CD20、CD25、上皮の増殖マーカーKi67の所見が、さらに軽微な拒絶反応の初期の段階の診断に有用である可能性が示唆された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Fujimoto: "Small bowel transplantation using grafts from living-related donors. Two case reports"Transplant International. 13・suppl1. S179-s184 (2000)
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[Publications] Satohiro Masuda: "Effect of Intestinal P-glycoprotein on daily tacrolimus trough levelin a living-donor small bowel recipient"CLINICAL PHARMACOLOGY & THERAPEUTICS. 68・1. 99-103 (2000)
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[Publications] 田中紘一: "小児肝臓ならびに小腸移植"日本医師会雑誌. 124. 686-687 (2000)
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[Publications] 阪本靖介: "小腸移植"綜合臨床. 50・1. 80-86 (2000)