2002 Fiscal Year Annual Research Report
壁ずり応力により生ずる自家静脈グラフト内膜肥厚の分子生物学的メカニズム
Project/Area Number |
12470266
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
安田 慶秀 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60125359)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西部 俊哉 北海道, 大学院・医学部付属病院, 助手 (10261306)
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Keywords | 内膜肥厚 / 静脈グラフト / 接着分子 / サイトカイン |
Research Abstract |
イヌの壁ずり応力の異なる自家静脈グラフトモデルを作成した。4頭のイヌで長さ5cmの自家大腿静脈を採取して大腿動脈に端々吻合し、これをコントロール群とした。低血流・低ずり応力モデルは、膝下動脈の分枝を残して本館を結紮し、2週後の再手術で長さ5cmの自家大腿静脈を採取して大腿動脈に端々吻合した(低血流・低ずり応力群、n=4)、術中、血流速度、血圧、グラフト経などを測定して壁ずり応力を測定した。両群で4週後に、自家静脈グラフトを摘出し、内膜肥厚について検討した。コントロール群と比較して低血流・低ずり応力群で細内膜が有意に厚くなっていた。免疫染色で細胞増殖、アポトーシスについて調べたところ、低血流・低ずり応力群で増殖細胞及びアポトーシス細胞が有意にコントロール群と比較して多かった。 現在凍結標本を使用してPT-PCRを行う段階にいる。炎症性サイトカインのTNF-α、接着分子のP-セレクチン、内膜肥厚に関与しているNO、angiotensin、endthelin、adrenomedullinなどをGene Works, OLIGO^<TM>などを使用してprimer pair設計、最適温度、サイクル数の設定を行っている。今までイヌを使用したことのような実験は数が少なく、免疫染色を行うためのイヌに対する抗体やPCRを行う際に必要ないろいろな物質に対する報告済みのcDNAやPrimerなどがなく最適なprimer検索、調整などが困難であった。設定が終わりしだいRT-PCRを行う。定量的PCRも行い両群間で発現量に差がないかを調べる。
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