2000 Fiscal Year Annual Research Report
家族性モヤモヤ病clinical anticipatioonの原因の究明-トリプレットリピート疾患の可能性の有無の検討-
Project/Area Number |
12470284
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
池田 秀敏 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (00202896)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青木 正志 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (70302148)
吉本 高志 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50091765)
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Keywords | モヤモヤ病 / CAGリピート / 遺伝子解析 / ERDA1 / CTG18.1 / 家族例 / clinical anticipation |
Research Abstract |
家族性モヤモヤ家系では必ずclinical anticipation(CA;表現促進現象)が見られることに気づき、世代を経るに従って患者の年齢が若くなるのは、何かこのような現象を引き起こすメカニズムが病気の発症にリンクしているのではないかと考えた。そこでトリプレットリピートがその原因であるか否かを検討することを目的とした。CAの7家系の構成員から末梢リンパ球を採取してgenomic DNAを抽出する。Repeat expansion detection(RED)法にてスクリーニングし、CAGリピートの伸長の有無を検討した。この際、正常人でもその伸長が報告されているERDA1およびCTG18.1といったゲノム上のCAGリピートの伸長を除外するためERDA1遺伝子及び、CTG18.1の上のCAG/CTGリピートの検出を、PCR法に於いて解析した。 ERDA1遺伝子のPCRで増幅されるfragment産物は、2種類(350b.p.、500b.p.)であり、この、短いホモのバンドを有する症例が、非特異的なリピートの延長がないものと判断した。検討した7家系の内使用可能な家系は、4家系であった。ERDA1のスクリーニングをへた4家系の内、POP-4ランで、何れの構成員もCTG18.1の(CTG)35以上のRepeat expansionはなく、RED法の際に、false positiveの原因にはならないものと考えられた。この4家系のうち、preliminaryに2家系においてRED法を行い、2家系のもやもや病の罹患児で、repeatの延長が疑われる所見が得られた。これにより、もやもや病のCAという病態が、遺伝子レベルでの異常に関わって生じている可能性が出てきた。今後、この結果の再検とともに、更に、リピート延長の原因を追及してゆきたい。
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