2000 Fiscal Year Annual Research Report
脳腫瘍における血管新生機構の解明と抗血管新生・化学併用療法の開発
Project/Area Number |
12470285
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
溝井 和夫 秋田大学, 医学部, 教授 (70157519)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹嶋 寿郎 秋田大学, 医学部, 講師 (40235289)
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Keywords | 脳腫瘍 / 血管内皮増殖因子 / 増殖能 / 糖代謝 / 低酸素細胞 / 抗血管新生療法 |
Research Abstract |
ラットの正常脳の血管内皮細胞を単層培養し,Sigma Scan Proで計測された任意の3視野内の細胞数に基づいて細胞密度を算出して細胞増殖曲線を作成し,細胞増殖期が定常期であることを確認し,三重標識したアミノ酸欠乏培養液(^<14>C-TdR,^3H-FDG,^<99m>Tc-DTPA)に交換し,5分から60分にわたって細胞と培養液を経時的に採取して細胞内および培養液中の各トレーサ濃度を測定した.内皮細胞への各トレーサの取り込みは培養液から細胞内へのトレーサの流入を示す速度定数Kiで評価した.採取による障害細胞および細胞外腔へのトレーサの集積は^<99m>Tc-DTPAの集積を用いて補正し,真の細胞/培養液濃度比を用いてKiを算出した.^<14>C-TdR,^3H-FDGの集積はそれぞれ増殖能,糖代謝と密接に関連しており,培養液中の血管内皮増殖因子(VEGFなど)の濃度が各トレーサの速度定数,集積量へ及ぼす影響について検討した.培養液中のVEGFの濃度を2.5ng/mlから25ng/mlまで変化させ,VEGF無添加群と比較すると,血管内皮細胞の増殖能(^<14>C-TdRのKi)はVEGF低濃度群では無添加群と同程度であったが,VEGF高濃度群(25ng/ml)では有意に増加した.また,糖代謝(^3H-FDGのKi)については培養液中のVEGF濃度の増加に伴い,^3H-FDGの集積量(Ki)が増加し,糖代謝の亢進が示唆された.また,今年度は^<99m>Tc製剤を用いたオートラジオグラフィー法による腫瘍イメージングシステムを確立し,ラット可移植性腫瘍株(C6,RG2,W256)における^<99m>Tc製剤を用いた腫瘍イメージング作成に成功した.現在,酸素欠乏部位に選択的に集積するトレーサである^<99m>Tc-Nitroimidazole(BMS181321,ブラッコ・エーザイ)の入手手続きを行っている.
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