2001 Fiscal Year Annual Research Report
悪性脳腫瘍に対する熱作動性サイトカイン遺伝子導入による局所温熱遺伝子療法の開発
Project/Area Number |
12470286
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
田中 隆一 新潟大学, 脳研究所, 教授 (30018816)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 宏 新潟大学, 脳研究所, 講師 (70291359)
高橋 英明 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (70236305)
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Keywords | heat shock protein / hyperthermia / gene therapy |
Research Abstract |
1)in vitroの実験系として、熱刺激で発現することを確認したhsp-lacZ,のplasmidをhuman glioma cell lineのU251-MG, T98G, NP2に導入し、加温(41℃2時間,42℃1時間,43℃1時間)後3h, 6h, 12h, 18h, 24h, 48h, 72hのlacZ reporter geneの発現をbeta-galactosidaseを測定することで37℃controlと比較した。その結果、NP2では加温12時間後に43℃群でcontrolの9倍、加温12時間後に42℃群で6倍の発現がみられた。T98Gでは加温6時間後に42℃群で4倍、12時間後に43℃群で4倍の発現がみられたが、NP2に比して低い発現であった。U251MGでは、加温24時間後に43℃群で5倍、48時間後に42℃群で3倍の発現がみられたが、37℃でも発現していた。41℃群では加温直後から発現がみられており、NP2では18時間後に27倍と最高値を示した。U251MG, T98G群の発現は2倍程度であったが、72時間後まで持続した。 以上より同じ加温条件でもglioma cell lineによりbeta-galactosidaseの発現パターンに違いがみられた。 この結果より至適加温条件を検討して実験を進めていこうと考えている。 また、加温後発現までに時間を要する理由として、細胞に内在するhspのcytoprotection system, CTL誘導などもかかわっていると考えられる。上記の実験と合わせ、検討を加える。 2)次に、cytokine遺伝子をhsp promoter geneに結合させて同様の実験を行うため、murine hsp-IL12とHsp-EGFP geneを作成している。hspの発現を確認した後、実験に移る。今後human hsp-IL12, IL15, IL18を作成予定で、加温による殺細胞効果について検討する。 3)当施設での実験設備を整える必要があるが、Adenoviral hsp-murineIL12とAdenovial hsp-EGFPで加温による効果をglioma cell lineで比較する。 4)上記で得られた細胞が産生するcytokineの量を測定し、cytokineの発現がglioma細胞に及ぼす効果を細胞増殖能、apoptosis発現の有無、MHC分子、接着因子などの面から検討する。この後、遺伝子導入細胞をratの脳内、皮下に接種し、生着後温熱治療を行い、腫瘍組織の変化、殺細胞効果について検討する。
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Research Products
(1 results)