2000 Fiscal Year Annual Research Report
骨肉腫の発生・進展に関与する新規癌関連遺伝子の機能解析
Project/Area Number |
12470307
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
戸口田 淳也 京都大学, 再生医科学研究所, 助教授 (40273502)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 孝志 京都大学, 医学研究科, 教授 (10201675)
|
Keywords | 骨肉腫 / 形質転換 / 癌遺伝子 / 癌抑制遺伝子 |
Research Abstract |
p53遺伝子ノックアウトマウスより単離した骨芽細胞系(MMC2)をスタートとした形質転換実験により、造腫瘍性の獲得に伴って発現が変化した2種類の遺伝子(DDM23、DDM36)を単離し、その全長cDNAをクローニングし以下の実験を行った。 1.DDM23:DDM23はhomologyよりRalGDS familyに属する遺伝子であることが判明し、他のグループより単離されたRGL3と一致していた。造腫瘍性を獲得した細胞であるMMC2-TCにおいては、3種類の転写産物が検出され、それぞれの塩基配列を解析し更にマウスBACクローンを用いてゲノム構造を決定し比較検討したところ、これらの転写産物は、RGL3に一致する転写産物に加えて、intron1を含むもの(DDM23-O)、更にintron1を含みかつexon2からexon4へspliceされたexon3を欠くもの(DDM23-V)であることが判明した。後者では、intron1内に存在する開始コドンからの新たなORFが生まれ、exon4以降はRGL3と同一で、N末部分が異なる蛋白が形成される可能性が示唆された。DDM23-Nを発現ベクターに導入し、MMC2-TCの前段階の細胞であるMMC2-E7に導入した。二重寒天培地でのコロニー形成ではMock導入細胞では全くコロニーが認められなかったのに対し、DDM23-N導入細胞では多数のコロニーが形成された。またヌードマウスに接種したところ、組織学的に典型的な骨肉腫の像を示す腫瘍が形成された。 2.DDM36:DDM36はIgG superfamilyに属する遺伝子であるNopeと一致していた。ESTデータベースを用いてDDM36のヒトホモログをコードすると思われるESTを検出し、これを用いてヒトホモログの全長cDNAを単離した。ヒトーマウス間でアミノ酸は88%一致していた。これを用いてヒト骨肉腫における発現を解析したところ7種類の骨肉腫細胞系のうち4種では発現が著しく低下しており、そのうちの二つでは全く発現が検出されなかった。これらの細胞で各エクソンの塩基配列を解析したところ、明らかな異常は検出されなかった。そこで発現調節レベルでの異常の可能性を考え、5aza-cytidineによる処理を行ったところ発現が検出可能となり、発現低下にメチル化が関与している可能性を示唆する結果が得られた。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] Yomato,H.,et al.: "High incidence of SU-40 like segvences defection in tumour and peripheral blood cells of Japanese asteosarcoma patients."Br.J.Cancer. 82. 1677-1681 (2000)
-
[Publications] Tsuboyama,T., et al.: "Inthaoperative radiation therapy for osteosarcoma in the extremities."Int.Orthop.. 24. 202-207 (2000)
-
[Publications] Hosaka,T., et al.: "Translin birds to the segvences adjacent to the breakpoints of the TLS and cmop genes in liposarcomas with translocation t(12,16)"Oncogene. 19. 5821-5825 (2000)
-
[Publications] Ito,H., et al.: "Parathyroid hormone-related peptide inhibits the expression of bone morphogenetic protein-4 mRNA through a cyclic AMP/protein kinase A pathway in mouse clonal chondrogenic EC cells, ATDC5."Biochimica Biophysica Acta. 1497. 237-243 (2000)
-
[Publications] Akiyama,H., et al.: "Differential expression of BMP family genes during chondrogenic differentiation of mouse ATDC5 cells."CELL STRUCTURE AND FUNCTION. 25. 195-204 (2000)