2001 Fiscal Year Annual Research Report
脊髄における麻薬耐性の機序に関する研究-神経可塑性からの解明-
Project/Area Number |
12470320
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Research Institution | Shimane Medical University |
Principal Investigator |
斉藤 洋司 島根医科大学, 医学部, 教授 (50162243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐原 由美子 島根医科大学, 医学部, 教務職員 (90234400)
越崎 雅行 島根医科大学, 医学部, 助手 (40294376)
土井 克史 島根医科大学, 医学部, 講師 (20304272)
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Keywords | モルヒネ / 耐性 / 脊髄 / 侵害刺激 / 非侵害刺激 |
Research Abstract |
麻薬の脊髄における耐性形成の機序ならびに脊髄過敏化との関連を神経可塑性の視点から解明することを目的とし研究を行った。 雄ラット(Sprague-Dawley)を対象とし、腰椎下部より頭側にくも膜下腔カテーテルを1.3cm留置した。4日間の回復期間の後、5日間カテーテルよりモルヒネ溶液20μg/10μ1を1日2回(朝、夕)投与することによりモルヒネ耐性ラットを作成した。朝のモルヒネ投与前、投与後10分に、侵害刺激として、ラットの足底に熱刺激を加えるradiant heating(RH)テストと、後肢に徐々に圧を加えていくpaw pressure(PP)テストを行った。非侵害刺激としてSemmes-Weinstein monofilament(SWM)を用いてラットの体幹の左右3ヶ所、合計6ヶ所に刺激を行った。モルヒネ投与ラットでは侵害刺激、非侵害刺激に対する反応性が投与後3日目より増加し、モルヒネ耐性形成とともに脊髄の過敏化が生ずることを明らかにした。 今年度は昨年度と同様に雄ラット(Sprague-Dawley)を対象とし、モルヒネ溶液20μg/10μlを1日2回、5日間くも膜下に投与しモルヒネ耐性ラットを作成した。コントロール群は同様に生理食塩水を10μl投与した。ネンブタールによる深麻酔後、これらのラットから脊髄を取り出し、マイクロスライサーにより脊髄スライス標本を作成した。スライス標本を95%O_2-5%CO_2ガス含有クレブス液で灌流後、MEDシステム専用プローブに貼り付けた。マルチチャンネル細胞外記録システム(MEDシステム)により脊髄後角細胞の自発的電気活動の測定を行った。現在、自発的活動電位の波形の分離を行いコントロール群との比較を行っているが、有意差は認められない。今後は定電流刺激を加えることにより発生する誘発電位を測定し比較検討する予定である。
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