2001 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト培養骨格筋細胞のカルシウム動態解析と遺伝子解析による悪性高熱症素因の診断
Project/Area Number |
12470321
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
弓削 孟文 広島大学, 医学部, 教授 (40034128)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 秀樹 広島大学, 医学部・不足病院, 助手 (00294588)
仁井内 浩 広島大学, 医学部・附属病院, 講師 (50208112)
河本 昌志 広島大学, 医学部, 助教授 (40127642)
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Keywords | 悪性高熱症 / 骨格筋細胞 / Ca-induced Ca release / カルシウム動態 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
平成13年度は,15名の悪性高熱症関連疾患患者の筋生検を行いCICR速度を測定した.全例他施設で節生検を行った後,当教室に宅急便で輸送された.患者の内訳は劇症悪性高熱症1例,亜型悪性高熱症4例,悪性高熱症(型は不明)の既往2例,術後悪性高熱症1例,悪性高熱症の家族歴5例,高CPK血症1例,筋疾患(Central Core Disease ; CCD)1例であった. CICR速度は,劇症悪性高熱症の1例,CCDの1例,MHの既往1例とその家族3例の計6例で亢進が認められた。残りの9例では亢進は認められなかった。 骨格筋細胞の培養は,15例中13例で試みた.3例は培養中に真菌感染が認められた.抗真菌剤を培養液に加えると2例で骨格筋細胞の増殖がほとんど認められなかった.しかし,8例では衛生細胞の培養に成功した.培養に成功した骨格筋衛生細胞は-70℃で一旦冷凍保存した. この中の4例を解凍して骨格筋の筋管細胞まで培養してこれらの細胞のカルシウム動態を検討した.カルシウム画像解析装置により,カフェイン刺激による筋管細胞内のカルシウム濃度の測定を行った.CICR速度の非亢進2例では、カフェイン濃度が2.5mMで,亢進2例ではカフェイン1mMで筋管細胞内のカルシウム濃度の上昇を示唆するratio340/380の増加が観察された.カフェインによる反応は10mMプロカインでほとんど抑制された.昨年度に加えCICR亢進3例,非亢進5症例となった.CICR速度の亢進と非亢進で,カフェイン刺激でカルシウム濃度の上昇に有意な差が認められるかどうか検討を続ける予定である。 今回CICRが亢進してい家系が1家系発見された.遺伝子検索については,SSCP法をおこなうための条件を模索中である.
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[Publications] 弓削孟文, 向田圭子: "悪性高熱症up to date"現代医療. 33(3). 52-58 (2001)
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[Publications] 弓削孟文: "悪性高熱症 -いつ発症したと診断し,治療を開始するか?-"麻酔. 50(増). S137-S143 (2001)
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[Publications] 弓削孟文, 向田圭子: "悪性高熱症 本邦臨床統計集(3)"日本臨牀. 60(増1). 635-642 (2002)
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[Publications] 向田圭子, 弓削孟文: "悪性高熱症診断基準の見直しは必要か?"麻酔と蘇生. 37(3・4). 103 (2001)
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[Publications] 弓削孟文, 河本昌志, 向田圭子, 前原康宏: "わが国の悪性高熱症(劇症型)の集計(2001年)"麻酔と蘇生. 37(3・4). 103 (2001)
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[Publications] 向田圭子, 前原康宏, 大下恭子, 弓削孟文: "Bリンパ球の悪性高熱症に関連するカルシウム動態の検討"麻酔と蘇生. 37(3・4). 103 (2001)