2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト培養骨格筋細胞のカルシウム動態解析と遺伝子解析による悪性高熱症素因の診断
Project/Area Number |
12470321
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
弓削 孟文 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40034128)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 秀樹 広島大学, 医学部附属病院, 助手 (00294588)
仁井内 浩 広島大学, 医学部附属病院, 講師 (50208112)
河本 昌志 広島大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 助教授 (40127642)
|
Keywords | 悪性高熱症 / 骨格筋細胞 / Ca-induced Ca release / カルシウム動態 / 遺伝子解析 |
Research Abstract |
平成14年度は,8名の悪性高熱症関連疾患患者の筋生検を行いCICR速度を測定した.1例は当施設で筋生検を行い,7例は他施設で筋生検を行った後,当教室に宅急便で輸送された.患者の内訳は劇症悪性高熱症1例,術後悪性高熱症2例,悪性高熱症の家族歴4例,高CPK血症1例であった. CICR速度は,悪性高熱症の家族歴1例で亢進が認められた.残りの7例では亢進は認められなかった.しかし,非亢進例のうち,劇症悪性高熱症1例とその家族の1例では,カルシウム濃度に依存しない骨格筋小胞体からのカルシウムのもれだし速度が速かった. 骨格筋細胞の培養は,8例中8例で試み,7例では衛生細胞の培養に成功した.培養に成功した骨格筋衛生細胞は-70℃で一旦冷凍保存した. この中の6例を解凍して骨格筋の筋管細胞まで培養してこれらの細胞のカルシウム動態を検討した.カルシウム画像解析装置により,カフェイン刺激による筋管細胞内のカルシウム濃度の測定を行った.CICR速度の非亢進4例では,カフェイン濃度が2.5mMで,亢進1例ではカフェイン1mMで筋管細胞内のカルシウム濃度の上昇を示唆するratio340/380の増加が観察された.カフェインによる反応は10mMプロカインでほとんど抑制された.昨年度に加えCICR亢進4例,非亢10症例となった.さらに,本年度はハロタンによるカルシウム濃度の上昇検討もCICR非亢進例3例で行った.4クロロ-m-クレゾールでも検討中である.CICR速度の亢進と非亢進で,何の刺激に対して最もクリアにカルシウム濃度の上昇に有意な差が認められるかどうか検討を続ける予定である. 遺伝子検索については,DNAを培養細胞から抽出することに成功した.しかし.リアノジン遺伝子の点変異は検出されていない.
|
-
[Publications] Hidemichi Suyama et al.: "Prevention and treatment of malignant hyperthermia in certified training hospitals in Japan ; a questionnaire"J Anesth. 16. 207-210 (2002)
-
[Publications] 弓削孟文: "ワンポイントアドバイス-骨格筋の構造-"麻酔科診療プラクティス5(麻酔科医に必要な局所解剖). 160-161 (2002)
-
[Publications] 向田圭子 他: "悪性高熱症劇症型の臨床症状は発症年齢で差があるか?"J Anesth. 16(supl). 413 (2002)