2000 Fiscal Year Annual Research Report
肺胞上皮細胞増殖因子による肺病変修復促進に関する分子生物学的検索-細胞増殖因子(KGF,FGF-10)による肺線維化抑制の機序および転写調節因子による制御機構の解明
Project/Area Number |
12470322
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
須加原 一博 琉球大学, 医学部, 教授 (20171126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大城 匡勝 琉球大学, 医学部・附属病院, 助手 (00315483)
宮田 裕史 琉球大学, 医学部, 助手 (60315471)
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Keywords | 虚血性脳障害 / 創傷治癒 / サイトカイン / 分子生物学 / 遅発性神経細胞死 / アポトーシス |
Research Abstract |
1.肺胞上皮細胞増殖因子による肺障害抑制の機序解明-これまでの研究成果から、ケラチノサイト増殖因子(KGF)の経気道的投与により肺胞II型上皮細胞が特異的に増殖させ、肺表面活性物質・アポ蛋白質遺伝子発現を著明に増加させることが明らかになり、KGFを前投与することで、ブレオマイシン肺線維症や塩酸肺障害を軽減できることが明らかになった。この機序を解明する目的で、ブレオマイシン肺線維症と肺胞II型上皮細胞の増殖が著明なエンドトキシン肺障害のラット肺について、転写因子C/EBPα、β、δや肝細胞増殖因子HGFおよびTransforming growth factor(TGF)などの遺伝子発現を検索した。興味深いことに、C/EBPαとC/EBPδの発現が相補的であり、ブレオマイシン肺線維症ではC/EBPδが、エンドトキシン肺障害ではC/EBPαが強く発現しており、肺胞上皮細胞の増殖と線維化とに深く関連することが示唆された。さらに、細胞増殖因子HGFと肺線維化に関連するTGFの発現がブレオマイシン肺の線維化の強いところに同じようにみられた。このことは、線維化が細胞増殖と線維化のバランスにより決定される可能性が示唆された。2。C/EBPα欠損マウスとC/EBPβ欠損マウスにおける肺表面活性物質・アポ蛋白質の遺伝子発現-C/EBPa欠損マウスは、生後すぐ呼吸不全を呈して死亡する。この肺では、SP-AとSP-Cの遺伝子の過剰発現がみられ、C/EBPaがSP-C発現を抑制的に調節していることが示唆された。SP-C遺伝子上で、C/EBPの結合部位を検索すると10個の結合部位が推定され、今後この部位の機能的な役割について研究を進める予定である。3。KGFの組織修復機能の解明-この研究の一つとして、一過性の脳虚血障害に予防効果があるか検索した。KGF mRNAは、脳組織の皮質、海馬や扁桃核に強く発現していた。KGFを持続的に脳脊髄液中に投与することにより、一過性脳虚血障害による海馬CAl領域の遅発性神経細胞死を抑制することが明らかになった。このことは、KGFが神経細胞のアポトーシスを抑制することを示唆する。今後この機序をさらに解明したいと考えている。4。その他-heat shock proteinなど分子シャペロンについても研究を進めており、肺の細胞や間質に特異的に発現する分子シャペロンも明らかになり、今後の研究進展が期待される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kazuhiro Sugahara et al: "C/EBPδ is expressed in alveolar type II cells and may regulate surfactant protein genes"Am J Respir Crit Care Med. 163(in press). (2001)
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[Publications] Kazuhiro Sugahara et al: "Keratinocyte growth factor prevents ischemia-induced delayed neuronal death in the hippocampal CA1 field of the gerbil brain"NeuroReport. 12. 71-76 (2001)
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[Publications] Kazuhiro Sugahara et al.: "Expression of CCAAT/ enhancer binding protein family members and regulation of surfactant proteins in the lungs"J Jpn Med Soc Biol Interface. 31. 75-76 (2000)
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[Publications] Fumihiko Matsuda et al.: "Comparative effect of amrinone, aminophylline and diltiazem on rat airway smooth muscle"Acta Anaesthesiol Scand. 44. 763-766 (2000)
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[Publications] Kazuhiro Sugahara et al.: "Keratinocyte growth factor (KGF) is expressed in the hippocampal neurons and attenuates ischemia-induced delayed neuronal death"Mol Biol Cell. 11. 309a-309a (2000)
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[Publications] Kazuhiro Sugahara et al.: "C/EBPδ is expressed only in some alveolar type II cells, and C/EBPα may have inhibitory regulation on SP-C genes"Am J Respir Crit Care Med. 161. A121-A121 (2000)