2000 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜癌におけるプロGnRHおよびGnRHII分泌の分子機構と機能
Project/Area Number |
12470340
|
Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
今井 篤志 岐阜大学, 医学部, 助教授 (40193643)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古井 辰郎 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (00313883)
玉舎 輝彦 岐阜大学, 医学部, 教授 (70079870)
|
Keywords | GnRH受容体 / GnRH / アポトーシス / プロセッシング異常 / プレGnRH / 卵巣癌 / 子宮内膜癌 / ウエスタンブロッティング |
Research Abstract |
GnRHアナログはGnRH受容体陽性腫瘍に作用し,アポトーシスを惹起する。しかし,これらの腫瘍では,GnRH様ペプチドも産生されていることが知られている。本研究では,腫瘍細胞増殖に関与するGnRHのオートクリン調節機構を再検討した。手術的に摘出した卵巣癌・子宮内膜癌組織のGnRH受容体をスクリーニングし,陽性細胞を初代培養に供した。GnRHmRNAはRT-PCR法で検出した。細胞内および培養液中のGnRH様ペプチドは,トリシン-ポリアクリルアミドゲル法で電気泳動後immunoblottingで分析した。その結果,いずれの組織にもGnRHmRNAが存在し,その細胞質画分には分子量10kDaのプレプロGnRH,7.6kDa(プロGnRH)および1.1kDa(GnRH)が検出された。しかし,GnRH受容体陽性腫瘍の培養液中には,10kDa(プレプロGnRH)および7.6kDa(プロGnRH)が検出できたが,1.2kDa(GnRH)は認められなかった。コントロールとして用いた絨毛細胞の培養液には,1.1kDaのGnRHのみが存在した。以上のことから,卵巣癌や子宮内膜癌では,GnRHの前駆ペプチドからGnRHへの成熟過程が障害されていることが示唆された。GnRHはデカペプチドとして分泌されて作用を発揮するが,腫瘍細胞ではプレプロGnRHやプロGnRHが分泌され,GnRH受容体を占有することが推定される。このことが,GnRH受容体の抗増殖シグナルをブロックし,GnRH感受性腫瘍の増殖に関与しているのかもしれない。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Takagi,A. et al.: "Alternative gonadotropin-releasing hormone processing products secreted from endometrial carcinoma"Oncol Rop. 7. 125-129 (2000)
-
[Publications] Imai,A. et al: "GnRH analogue repairs reduced endometrial cell apoptosis in endometriosis in vitro"Am J Obstet Gynecol. 182. 1142-1146 (2000)
-
[Publications] 高木敦志 他: "子宮内膜眼からのゴナドトロピン放出因子(GnRH)前駆体産物分泌に関する研究:プレプロGnRH.プロGnRHならびにGnRHデカペプチドの検出と同定"岐阜大学医学部紀要. 48. 126-132 (2000)
-
[Publications] Furui,T. et al: "Different efficacy of gonadotropin-releasing hormone (GnRH) agonist treatment on pedunculated and degenerated myomas : a retrospective study of 630 women"J Obstet Gynecol. 20. 504-506 (2000)
-
[Publications] Imai,A. et al: "Agonadotropin-releasing hormone-responsive phosphatase hydrolyses lysophosphatidic acid within the plasma membrane of ovarian cancer cells"J Clin Endocrinol Metab. 85. 3370-3375 (2000)
-
[Publications] Imai,A. et al: "Hormones and Vitamines vol 59"Academic Press (litwack, G.(ed)). 1-33 (2000)
-
[Publications] Imai,A. et al: "Methods in Molecular Medicine (Ovarian Cancer)"Humana Press (Bartlett J (ed)). 589-596 (2000)