2003 Fiscal Year Annual Research Report
子宮内膜局所免疫系の内分泌調節機構とその生理・病理的意義に関する研究
Project/Area Number |
12470350
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
神崎 秀陽 関西医科大学, 医学部, 教授 (80135566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中嶋 達也 関西医科大学, 医学部, 助手 (00268351)
斉藤 淳子 関西医科大学, 医学部, 講師 (00205650)
安田 勝彦 関西医科大学, 医学部, 助教授 (90174507)
岡田 英孝 関西医科大学, 医学部, 助手 (80330182)
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Keywords | 子宮内膜 / 局所免疫 / プロゲステロン / 樹状細胞 / hCG / IL-15 / 20α-HSD / fibrin |
Research Abstract |
子宮内膜細胞の増殖と分化は、性ステロイドホルモンの影響下にある多くの局所因子で制御され、その制御にヒト子宮内膜に分布する多種の免疫担当細胞が関与することが示された。月経周期によるミエロイド系樹状細胞前駆細胞とリンパ球系樹状細胞前駆細胞の割合が変化してゆくことが明らかとなり、それが妊娠関連蛋白の1つであるによるhCGによることが示された。流産症例の末梢血での解析を正常と対比して進めた結果、習慣流産のため夫リンパ球免疫を行っている女性では、その妊娠初期の末梢血中樹状細胞については正常妊娠女性と有意差はなかった。またこれまで子宮内膜細胞を用いたcDNA expression array法で見出された遺伝子中の中で、特にIL-15とfiburinについては、各々細胞培養並びに組織(正常及び不妊女性の子宮内膜、妊娠初期中絶の膜落膜、妊娠初期流産の脱落膜、妊娠中期早産の脱落膜、満期妊娠分娩の膜落膜など)においてその遺伝子発現を検討した。樹状細胞(DC)は、妊娠の成立と進行に伴って末梢血中でhCGはMHC class II強陽性の細胞をミエロイド系DC前駆体(CD1a+/CD11c+,CD1a-/CD11c+)がリンパ球系DC前駆体(CD1a-,CD11c-)に比べて相対的に増加していることが確認され、DCの働きにより胎児抗原の認識・提示を促し、母体免疫応答における特徴的なTリンパ球サブセットの変化(Th1/Th2比の低下)をもたらすことが示唆されたため、その異常が流産や妊娠中毒症状の一部に関わっている可能性が高いと思われる。一方、子宮内膜におけるプロゲステロン代謝酵素に関する検討では、子宮内膜間質細胞自体に20a-HSD遺伝子があり培養系でプロゲステロン依存性に変動することを確認し、さらにIL-1R(type1)、microsomal glutatione S-transferase-1、fumarylacetoacetate hydrolase、G protein-coupled receptorなどもプロゲステロン依存性に増加することが確認された。またプロゲステロンで減少する遺伝子としては、IL-13R,RNA binding protein 2,stannicalcin,phosphodiestrose 4B,cAMP response,element-binding Proteing CRE-BPaなどを見出した。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Nakajima, H.Kanzaki et al.: "Expression of 20 α-hydroxysteroid dehydrogenase mRNA in human endometrium and decidua."Endocrine Journal. 20. 105-111 (2003)
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[Publications] M.Egawa, H.Kanzaki et al.: "Smoking enhances oxytocin-induced rhythmic myometrial contraction."Biology of Reproduction. 68. 2274-2280 (2003)
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[Publications] T.Yoshimura, H.Kanzaki et al.: "Analyses of dendritic cell subsets in pregnancy."American Jourmal of Reproductive Immunology. 50. 137-145 (2003)
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[Publications] H.Okada, H.Kanzaki et al.: "Microarray analysis of genes controlled by progesterone in human endometrial stromal cells in vitro."Gynecological Endocrinology. 17. 271-280 (2003)
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[Publications] H.Ozaki, H.Kanzaki et al.: "Possible role of the protein kinase C/CP-17 pathway in the augemented contraction of human myometrium after gestation."Br J Pharmacol. 140. 1303-1312 (2003)