2001 Fiscal Year Annual Research Report
赤外線脳酸素モニタ装置による嗅覚中枢の活動測定の他覚的嗅覚検査への応用
Project/Area Number |
12470353
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
石丸 正 金沢大学, 医学部・附属病院, 助手 (10272965)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三輪 高喜 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20229909)
古川 仭 金沢大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40092803)
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Keywords | 近赤外分光法 / 嗅覚 / 眼窩前頭皮質 / ヒト / 他覚的嗅覚検査 / 酸化ヘモグロビン / 還元ヘモグロビン / 脳血流 |
Research Abstract |
1 嗅覚異常の無い成人の被験者と嗅覚障害の患者の、前額部左右眼窩上に、NIRS用の赤外線発光ダイオード(LED)と受光用フォトダイオード(PD)をシールにて張り付けニオイを嗅がしてその応答を記録する実験をした。測定にはPSA500組織酸素計を用いた。 2 LEDとPDの間隔は3cmとし、LEDを内側にした。刺激は、T&Tオルファクトメータの嗅素を通常のT&T用のニオイ紙(濾紙)につけ、10秒間嗅がせた。プラセボとして、嗅素の付けない濾紙を同様に鼻前に提示した。また、アリナミンによる静脈性嗅覚検査に併行した測定も行った。実験中被験者は、閉眼して、防音ヘッドセットにて遮音した。被験者は、ボランティアと、協力を申し出た患者である。いずれの場合も、インフォームドコンセントを得た後に行った。 3 正常者では、約半数の被験者ニオイを嗅がせると酸化ヘモグロビンが増加した。反応が記録される嗅覚閾値は、T&Tで1(8160)162付近であった。嗅覚障害者では、高度嗅覚障害では、反応が記録されなかったが、軽度障害では、その認知レベル付近で反応が記録された。静脈性嗅覚検査においては、ニオイの認知に一致して、酸化ヘモグロビンの増加が認められた。この反応は、T&T刺激に比べて大きかった。 4 これらのことから、近赤外分光法による脳血流(酸素)測定は、他覚的嗅覚検査に応用可能と思われたが、今後、偽陰性のパーセントを下げるための改良が必要と考えられた。
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[Publications] 石丸 正: "近赤外分光法によるヒト嗅覚中枢の測定"頭頸部自律神経. 15. 44-46 (2001)
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[Publications] 石丸 正: "T&Tオルファクトメータ刺激時の嗅皮質の近赤外分光応答"日本味と匂学会誌. 8-3. 363-366 (2001)
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[Publications] 石丸 正: "小児の嗅覚障害とその検査における課題"小児耳鼻咽喉科. 22-2. 48-52 (2001)
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[Publications] 石丸 正: "嗅覚中枢測定を目的とした近赤外分光装置の改良"頭頸部自律神経. 16. 9-12 (2002)