2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470360
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
八木 聰明 日本医科大学, 医学部, 教授 (80082163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粉川 隆行 日本医科大学, 医学部, 助手 (90318494)
嘉村 恵理子 日本医科大学, 医学部, 助手 (10291717)
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Keywords | 前庭 / 眼球運動 / 3次元解析 / コンピュータ / 赤外線 / ビデオ画像 |
Research Abstract |
人の平衡機能を検討するために最も大切なことの一つである前庭性眼球運動の三次元解析は、平成12年度には赤外線CCDカメラによる単眼記録によって予定通り進んだ。それらの結果の一部は、国際学会や国内の学会や論文として科学雑誌に発表した、或いは発表する予定である。その内容は、前庭性眼球運動の一つである非垂直軸回転(OVAR)による眼球運動の解析であり、健常者と一側内耳機能喪失者の両者を比較したものである。また、他の実験として、迷路瘻孔症例の圧迫眼振の緩徐相速度ベクトルの解析から半規管の機能軸を決定するものがある。また、現在進行中のものとして、自覚的体軸の変化と眼球運動の関係から内耳(耳石器)の機能を検討する研究も行われている。これらの結果は、研究初年度である平成12年度の実績としては、研究は目的に沿って順調に行われているものと評価される。 一方、本研究の一つの大きな目的である両眼同時記録用の赤外線CCDカメラ付きゴーグルの作成に関しては、現在試行錯誤を繰り返している状態であり、完成のめどはまだ立っていない。その理由は、明瞭なビデオ画像を得るために必要な赤外線照明の照度の問題や、レンズ系の明るさの問題が解決されていないためである。現在、その対応を行っており、近い将来にはこれらの問題点は解決されるものと思われる。また、両眼同時記録されたビデオ画像の解析ソフトは、単眼解析用ソフトの転用が可能であり、そのための作業は外部委託(専門知識の供与)によって順調に進んでいる。
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[Publications] Yagi T,Kamura E,Shitara A: "Three dimensional eye movement analysis during off vertical axis rotation in human subjects."Arch Ital Biol. 138(1). 39-47 (2000)
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[Publications] 設楽明子,八木聰明: "頭部傾斜-rollとpitch-における眼球運動の三次元解析"日耳鼻会報. 103(6). 748-753 (2000)
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[Publications] 八木聰明: "圧迫眼振の三次元解析からみた半規管機能軸に関する検討"都医師会雑誌. 53(5). 611-615 (2000)