2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属配位結合を利用した新しい薬物ターゲティング法による新生血管性眼疾患の治療
Project/Area Number |
12470362
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田畑 泰彦 京都大学, 再生医科学研究所, 教授 (50211371)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 医学研究科, 教授 (70191963)
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Keywords | 金属配位結合 / ターゲティング / 新生血管抑制作用 / 加齢性黄斑変性症 / 糖尿病網膜症 / 眼疾患治療 / 高分子複合体 / インターフェロン |
Research Abstract |
本研究の目的は、加齢性黄斑変性症あるいは糖尿病網膜症などの疾患に対する薬物治療として、血管新生の抑制作用をもつ薬物、例えばインターフェロン(IFN)-βを新生血管ヘターゲディングするためのドラッグデリバリーシステム(DDS)を開発することである。方法としては、金属配位結合を利用することによって薬物を高分子と複合化させ、薬物を新生血管部位ヘターゲティングする。薬物(IFN)を修飾するための金属キレート残基をもつ水溶性高分子を作製した。用いた水溶性高分子はデキストランあるいはプルランである。これらの高分子とジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、無水物とをジメチルホルムアミド中で反応させることによって、金属キレートDTPA残基を導入した高分子を調製した。スペルミン、スペルミジンなどをカルボジジイミダゾールを用いて水溶性高分子の水酸基と結合させ、それぞれのキレート残基を導入した高分子を調製した。反応試薬の添加量、反応時間などの反応条件を変えることで金属キレート残基の導入率を変化させることができた。血管新生抑制作用をもつIFNをキレート残基導入デキストランあるいはプルランと亜鉛の存在下、混合することによってIFN-高分子複合体を作製した。溶液の混合前後の液体クロマトグラフィを測定したところ、,いずれの高分子誘導体においても、金属イオンを介してIFNと金属キレート残基導入高分子との間に複合体が出来ていることを確認した。予備的に、IFNと高分子との複合体を網膜に新生血管をもつモデルウサギに静脈内投与したところ、複合体が網膜の新生血管部位へ蓄積していることがわかった。遊離IFN投与の場合には、ほとんど新生血管部位への蓄積は見られなかった。これらのIFNと高分子との金属配位複合体をマウスの静脈内に投与した後の肝臓でのIFNの生物活性を調べた。その結果、スペルミンを導入した高分子誘導体が、もっとも高い活性を示した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Suginoshita, Y., Tabata, Y., Moriasu, F., Y., Ikada, Chiba, T.: "Liver targeting of interferon-β with a liver affinity polysaccharide based on metal corrodination in mice"Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics. 298(2). 805-811 (2001)
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[Publications] Yasukawa, T., Kimura, H., Tabata, Y., Ogura, Y.: "Biodegradable scleral plugs for vitreoretinal drug delivery"Advanced Drug Delivery Review. 52(1). 25-36 (2001)
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[Publications] Kimura, H., Yasukawa, T., Tabata, Y., Ogura, Y.: "Drug targeting to choroidal neovascularization"Advanced Drug Delivery Review. 52(1). 79-91 (2001)