2002 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性眼疾患に対する候補遺伝子アプローチ法による分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
12470364
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
岡田 正喜 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (90344457)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田野 保雄 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (80093433)
森村 浩之 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (70314325)
西田 幸二 大阪大学, 医学系研究科, 助手 (40244610)
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Keywords | 角膜ジストロフィ / スタルガルト病 / 網膜色素変性 / 候補遺伝子アプローチ / SNP / 開放隅角緑内障 |
Research Abstract |
ヒトゲノム計画の進行にともない、眼科領域でも遺伝性疾患の原因遺伝子の解明が進んでいる。本研究では、候補遺伝子アプローチ法を用いて、遺伝性眼疾患の原因遺伝子解析に取り組んでいる。これまでに遺伝性角膜ジストロフィ患者250家系、網膜色素変性症と類縁疾患患者200家系、開放隅角緑内障患者100家系から同意を得て、遺伝子解析を行っている。 1)角膜疾患に関しては、約180家系で原因遺伝子が判明し、昨年度までに報告した。この中には、格子状角膜変性症III型の原因遺伝子解明(Am J Hum Genet. 1998)や膠様滴状角膜変性症の原因遺伝子発見(Nat Genet. 1999)、斑状角膜変性症の原因遺伝子発見(Nat Genet. 2000)などが含まれている。原因の明らかになった家系については、遺伝相談やカウンセリングに分子レベルどの診断結果を提示可能になった。 2)網膜疾患の解析では、本邦におけるスタルガルト病の遺伝子解析を実施し、日本人特有のABCA4遺伝子のnull mutationを4種類新たに発見した(IOVS 2002)。また、小口病を含む先天性停止性夜盲症の遺伝子解析を名古屋大学と共同研究し、arrestin, Rhodopsin kinaseのnull mutationを新たに発見した(IOVS in press)。 3)開放隅角緑内障では、染色体3q21-q24領域のGLC1Cに注目し、位置的候補遺伝子アプローチを開始した。現在までに11遺伝子のスクリーニングが終了している。その中で、GRPK7のエクソン1内に1塩基欠失SNPを発見し、case-control studyにおいて、そのSNPの頻度に有意差を認めた(p=7.4x10^<-4>)。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Fukui T, Yamamoto S, Nakano K, et al.: "ABCA4 Gene Mutations in Japanese Patients with Stargardt Disease and Retinitis Pigmentosa"Investigative Ophthalmology & Visual Science. 43. 2819-2824 (2002)