2000 Fiscal Year Annual Research Report
網膜神経節細胞特異的遺伝子の解析と視神経萎縮の病態解明・遺伝子治療への応用
Project/Area Number |
12470368
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
真島 行彦 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (40157186)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 純 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (80178003)
大竹 雄一郎 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (30233159)
黒坂 大次郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (20215099)
岩田 岳 東京医療センター, 内・感覚器センター, 主任研究員
高柳 淳 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (80245464)
|
Keywords | 網膜神経節細胞 / ヒトアミンオキシダーゼ / マウスアミンオキシダーゼ / プロモーター / ベクター |
Research Abstract |
網膜神経節細胞に発現する網膜特異的アミンオキシダーゼ(RAO)の機能解析のため、RAOのマウスのホモログをクローニングを行い、プロモーターの解析、酵素活性の有無などについて検討した。ヒトRAOプローブを用いたマウス網膜cDNAライブラリーのスクリーニングおよび5'/3'RACE法によってマウスRAOの全長をクローニングして塩基配列を決定した。Real-time PCR法で組織別発現量を比較し、In situ hybridization法によって網膜組織内の発現部位を解析した。ヒトRAOプロモーター(0.8Kb)とマウスRAOプロモーター(1.3Kb)を比較してマウスRAO遺伝子のコーディング部分をバクテリア発現ベクター(pTrcHis,pTrcHis2)に挿入して発現させ、ニッケルカラムで精製、回収を行った。Putrescineを基質にしてRAOが代謝できるか検討した。その結果、マウスRAO遺伝子は全長2,535bpでヒトRAOやその他のアミン酸化酵素と75-85%の相同性が確認された。ノーザンブロットやReal-time PCR法によって眼での発現が特に高いことが確認され、In situ hybridization法によって神経節細胞に局在することが確認された。マウスとヒトRAOプロモーターの塩基配列を比較した結果、相同性が20%と低く、4ヶ所にわたって短い塩基配列が一致した。マウスRAO遺伝子はヒトRAOと同様に神経節細胞に局在する遺伝子であることが確認された。また、Putrescineを基質にしてRAOの代謝産物である過酸化水素を検出した。 網膜の神経節細胞に特異的に遺伝子を導入するためにRAOのプロモーターを用いたベクターを作成した。摘出網膜から神経節細胞を培養し、蛍光色素を発色するGFPを導入したところ、神経節細胞と思われる細胞に蛍光が確認された。今後は、ラット眼にこのベクターを導入し、実際に網膜神経節細胞に導入されたか否かを行う予定である。
|