2002 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト培養表皮移植の生着率向上とtissue engineering
Project/Area Number |
12470378
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Research Institution | KURUME UNIVERSITY |
Principal Investigator |
山内 俊彦 久留米大学, 医学部, 助手 (80239839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 成一郎 久留米大学, 医学部, 助手 (70281540)
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Keywords | ヒト培養表皮 / 基底膜構成成分 / anchoring / fibrin matrix / ヒト培養表皮複合体 / 人工真皮 / 生着率 |
Research Abstract |
ヒト培養表皮の基底膜構成成分を温存し、移植床とanchoringさせるために、ヒト表皮細胞とfeeder cellをfibrin matrix上で共培養し、吸収性meshを人工的なanchoringとして培養表皮に組み合わせた。これらのヒト培養表皮複合体および人工真皮との併用移植を行った。上記のように作製したヒト培養表皮複合体および人工真皮をnude ratの背部に作製した全層欠損創に移植した。control(従来法)は従来のヒト培養表皮移植とした。その結果、control(従来法)の生着率は16.7%(n=12),ヒト培養表皮複合体の生着率は71.4%(n=14)表皮複合体+人工真皮の生着率は66.8%(n=30)であった。培養表皮とフィブリンゲル、吸収性メッシュを組み合わせることで従来の培養表皮に比べて生着率は有意に改善した(全層欠損移植群p<0.002)。 組織学的検討;移植2、3、4週目に摘出した組織のH. E.染色ではヒト培養表皮複合体+人工真皮は移植床に生着していた。また免疫染色、蛍光染色で基底膜部の接着因子であるtype IV collagen, laminin, fibronectinなどの発現が認められた。また、移植3週目の組織の電顕所見では対処群は特徴的基底膜様構造が観察されなかったが、ヒト培養表皮複合体+人工真皮は基底膜構造であるlamina densa, lamina lucida,がみられ、hemidesmosome, anchoring fibilが観察された。以上から組織学的にも今回作製したヒト培養表皮複合体+人工真皮はcontrol(従来法)に比べて優れていることが示された。 また、作製された培養表皮シートの機能をサイトカイン放出能で検索した結果、従来法で作製したシートはTGF-α、IL-6、IL-8の放出能があり、機能のあるシートであることが示された。現在、我々の作製した方法でのシートのサイトカイン放出能を検討中で、今後も動物実験の追加など行っていく必要がある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 矢永 博子: "基底膜成分の温存とanchoringを加えた培養表皮の作成;培養表皮の生着率改善をめざして"日本形成外科学会会誌. 21・5. 267-281 (2001)
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[Publications] Hiroko Yanaga: "Take Percentage and Conditions of Cultured Epithelium Were Improved When Basement Membrane of the Graft Was Maintained and Anchoring Mesh Was Added"Plastic and Reconstructive Surgery. 107・1. 105-115 (2001)
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[Publications] Hiroko Yanaga: "Cryopreserved cultured epidermal allografts achieved early closure of wounds and reduced scar form ation in deep partial-thickness burn wounds (DDB) and split-thickness skin donor site of pediatric patients"Burns. 27・7. 689-698 (2001)
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[Publications] Yukihiro Udoh: "Long-term viability of cryopreserved cultured epithelial grafts"Burns. 26・6. 535-542 (2000)