2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470411
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
奥野 攻 東北大学, 歯学研究科, 教授 (50014080)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 幸平 東北大学, 歯学研究科, 教授 (40108551)
菊地 聖史 東北大学, 歯学研究科, 助手 (50250791)
高田 雄京 東北大学, 歯学研究科, 助手 (10206766)
片倉 直至 東北大学, 歯学研究科, 助教授 (70005031)
|
Keywords | チタン合金 / 歯科用合金 / チタン-銅合金 / チタン-銀合金 / チタン-ニオブ合金 / CAD / CAM / 研削性 / 機械加工性 |
Research Abstract |
チタン合金は優れた生体親和性や機械的性質から歯科材料として不可欠であるが、歯科鋳造には問題が多く、広く臨床応用するにはCAD/CAMで成形するのが理想的と考えられる。そこで本研究ではCAD/CAMに適した快削性歯科用チタン合金を開発することを目的とした。適度な金属間化合物の析出によりチタンの切削性が向上すると考えられる銅、銀およびニオブをチタンに添加した2元系合金の機械的性質、組織、研削性を調べ、合金添加効果について比較検討した。この結果、機械的性質はTi-5%Cu, Ti-30%Nbの引張強さは600〜700MPaと高く,5%以上の伸びを示し、歯科用合金として適していた.Ti-5〜20%Ag, Ti-2%Cu, Ti-2〜10%Nbの引張強さは350〜550MPaであったが、伸びは18〜31%と大きかった.一方、Ti-10%Cuの伸びが0.5%以下であり歯科用合金としては不適と考えられた.研削試験は荷重100gf、速度500、750、1000、1250、1500m/minで行った。この結果、Ti-Cu合金やTi-Ag合金では切削速度が速くなればなるほど研削量がCP Tiにくらべ増加する傾向が見られた。またTi-Ag、Ti-Cu共に添加量が多いものほど研削量が多く、これら元素の添加効果は高速研削において著しくなることが分かった。実験を行った中で最も研削量が多かったのは1500m/minにおけるTi-10%Cuであり、1500m/minにおけるTi-20%Agがこれに次ぐ値であった。今回の実験において、チタンへ銀または銅を添加して合金化することで研削性を向上でき、その添加効果は高速で著しくなることが分かった。また銀より銅の方が少ない添加量で研削性が向上することが分かった。一方、Ti-30%Nb合金では研削速度が遅いほど研削量がCP Tiにくらべ増加する傾向が見られた。組織のX線解析によれば、研削性は金属間化合物やω相の析出と関連していることが分かった。これらの結果から歯科用快削性チタン合金としてTi-5%Cu合金、Ti-20%Ag合金,Ti-30%Nb合金が有望と考えられた。
|
-
[Publications] M.TAKAHASHI, M.KIKUCHI, Y.TAKADA, O.OKUNO: "Mechanical Properties and Microstructures of Dental Cast Ti-Ag and Ti-Cu Alloys"DENTAL MATERIALS JOURNAL. 21・3. 270-280 (2002)