2001 Fiscal Year Annual Research Report
Etsがん遺伝子群転写因子E1AFの細胞周期調節機構の解析
Project/Area Number |
12470431
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
戸塚 靖則 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (00109456)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
安田 元昭 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (90239765)
東野 史裕 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (50301891)
進藤 正信 北海道大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (20162802)
小林 正伸 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 助教授 (80241321)
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Keywords | E1AF / p21 / p53 / 細胞周期 |
Research Abstract |
1.高い浸潤活性を持つ口腔扁平上皮がん細胞HSC3にAd12型E1A発現プラスミドを遺伝子導入したところ、MMPとE1AF mRNAおよびタンパク発現が低下した。この過程にはAd12型E1Aによる転写因子E1AFの発現を抑制するネガティブフィードバック機構が存在することを示唆するものだった。 2.口腔扁平上皮癌由来細胞株Ca9.22にメタロチオネイン誘導E1AF発現ベクターを遺伝子導入し、ZnCl2刺激によりE1AFを発現するMT9.22F細胞を樹立した。E1AF誘導細胞では、MMPの産生亢進と同時にp21waf1/cip1の発現亢進が認められることが明らかになり、口腔扁平上皮がん細胞の浸潤活性の亢進は、細胞周期の中で増殖期以外の時期に生じ、この過程にはE1AFが関与している可能性があることが示唆された。 3.E1AFによるp21遺伝子の転写の活性化に及ぼすp53の影響をルシフェラーゼアッセイで検索した結果、E1AFとp53は相乗的にp21プロモーターを活性化した。両タンパクの結合を調べた結果、E1AFとp53はin vitroおよびin vivoで両タンパクは結合した。さらに、E1AFのTumor Suppressor活性およびApoptosis活性について検索したところ、E1AFはTumor suppressor活性を有するがApoptosis活性はもたないことが示された。これらの結果より、E1AFはp21の転写調節領域上でp53タンパクと相互作用し転写活性を上げ細胞周期を止めることによりTumor suppressorを示しているものと考えられる。
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Research Products
(1 results)