2001 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌の縮小手術を目的とした術前化学療法の効果に関する基礎的ならびに臨床的研究
Project/Area Number |
12470444
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
小浜 源郁 札幌医科大学, 医学部, 教授 (80014009)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井手 隆 札幌医科大学, 医学部, 助手 (70274933)
野口 誠 札幌医科大学, 医学部, 講師 (50208328)
田中 信幸 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (50163548)
金城 尚典 札幌医科大学, 医学部, 助手 (00262676)
宮崎 晃亘 札幌医科大学, 医学部, 助手 (10305237)
|
Keywords | 核DNA量 / 口腔癌 / 術前化学療法 / Mitotic index |
Research Abstract |
口腔扁平上皮癌一次症例103例を対象として、生検組織と手術切除組織からHE染色標本ならびにFeulgen染色標本を作製した。HE染色標本を参考にして生検組織と手術切除組織の癌発育先進部における核DNA量と核分裂指数(MI)を画像解析装置を用いて測定した。各症例のDNAヒストグラムから術前化学療法前の超4c率および術前化学療法前後の平均DNA量を算出した。生検組織において超4c率10%未満群(A群)と10%以上群(B群)に分け、術前化学療法前後の平均DNA量とMIの変化値から術前化学療法効果を検討した。術前化学療法前後の平均DNA量とMIの変化値からA群、B群を細分類すると、A群(n=48)では、i;術前化学療法後平均DNA量とMIがともに減少(n=29)、ii;術前化学療法後平均DNA量が増加しMIが減少(n=19)の2亜群に分類しえた。B群(n=55)では、i;(n=23)、ii;(n=15)のほかに、iii;術前化学療法後平均DNA量、MIともに増加(n=6)、iv;術前化学療法前後で平均DNA量に変化がみられずMIが減少あるいは変化なし(n=11)の4亜群に分類しえた。5年累積生存率をみるとA群では、i ; 93.1%、ii ; 94.7%で、治療成績は良好であった。B群では、i ; 73.7%、ii ; 77.1%、iii ; 0%、iv ; 45.5%であった、術前化学療法前後の平均DNA量とMIを測定し、それらの変化値から化学療法効果を判定することは予後を反映するより客観性のある確度の高い効果判定法であることが示唆された。 口腔扁平上皮癌症例のpRB2/p130の蛋白発現を免疫組織学的に検索し、それらの臨床病理学的所見と比較検討したところ、pRB2/p130陽性例は、陰性例に比較して5年累積生存率が高く、高分化型の症例に多く認められた。現在、pRB2/p130のmutationについて検索中である。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 木戸幸恵, 他: "口腔扁平上皮癌の治療期間別の予後因子の解析"日本口腔外科学会雑誌. 47(6). 331-340 (2001)
-
[Publications] 久保田裕美, 他: "下顎歯肉扁平上皮癌の外科治療成績と予後因子の検討"日本口腔腫瘍学会誌. 13(1). 9-16 (2001)
-
[Publications] 小浜源郁, 他: "口腔扁平上皮癌の臨床所見と病理組織所見に基づいた外科療法ー481例の分析ー"日本口腔腫瘍学会誌. 13(2). 33-41 (2001)
-
[Publications] 木戸幸恵, 他: "Stage I, II口腔扁平上皮癌の外科療法と予後因子ーexcisional biopsyとpreoperative chemotherapy症例の対比ー"日本口腔腫瘍学会誌. (印刷中). (2001)
-
[Publications] 久保田裕美, 他: "下顎歯肉扁平上皮癌の術前療法効果"日本口腔腫瘍学会誌. (印刷中). (2001)
-
[Publications] 宮崎晃亘, 他: "早期舌癌に対するexcisional biopsyの適応と治療成績"日本口腔腫瘍学会誌. (印刷中). (2001)
-
[Publications] Noguchi M., et al.: "The tumor invasive front in oral sqaumous cell carcinoma : image and flow cytometric analysis with clinicopathologic correlation"OSOMOP (in press). (2001)