2000 Fiscal Year Annual Research Report
痛み反応を必要としない局所麻酔薬の効果の判定法-組織内局所麻酔薬の光学的計測
Project/Area Number |
12470449
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
金子 譲 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (00085747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間宮 秀樹 東京歯科大学, 歯学部, 講師 (30266572)
一戸 達也 東京歯科大学, 歯学部, 助教授 (40184626)
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Keywords | 局所麻酔薬 / 浸潤麻酔 / 下顎臼歯部 |
Research Abstract |
なぜ下顎臼歯部では浸潤麻酔が奏効しにくいのか?この解答は、下顎臼歯部の緻密骨質が厚いからとか、根端までの距離が遠いからと説明されているが、どれも明確な根拠がない。この疑問に答えるためには浸潤麻酔で投与された局所麻酔薬の組織での拡散、血管内吸収などを前提とした薬剤の局在を明らかにする必要がある。 局所麻酔の効果の判定方法は、従来、痛みの程度に対してはVisual analogue scaleで判定したり、活動電位の減衰を調べる方法が主に用いられてきた。 今回の研究は従来の研究とは異なり、浸潤麻酔後の局所麻酔薬の局在を検討し、目的とする歯根端部にいかにしてより多くの局所麻酔薬を到達させるかを目的としている。 浸潤麻酔後の局所麻酔薬の組織内局在を検討するために、組織のホモジェネートの局所麻酔薬を測定するのでは局所麻酔薬を多量に含む結合組織等の部分と局所麻酔薬をほとんど含まない血液とが混在してしまい、根端部を含む広範囲の組織を均等に評価してしまうため、良い結果が得られない。そのため、この研究では局所麻酔薬投与後の組織切片を作成し、局所麻酔薬による紫外線吸収を直接評価するのが妥当であると考え、吸収Dレンジ測定用CCDカメラを用いて局所麻酔薬の組織内局在を直接的に観察する。 本年度は吸収Dレンジ測定用冷却CCDカメラの納入が遅れたため現在、予備実験が始まった段階である。 現在のところ、局所麻酔薬の濃度と紫外線吸収との相関を観察しだした。 次年度は局所麻酔薬の種類、濃度、投与量、血管収縮薬の有無などが、局所麻酔薬の組織内分布に及ぼす影響を順次検討する予定である。
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