2001 Fiscal Year Annual Research Report
加齢・老化による歯根膜微小循環系の咬合力・矯正力に対する応答性の変化
Project/Area Number |
12470454
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
飯田 順一郎 北海道大学, 歯学研究科, 教授 (90151232)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 賢一 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (00170316)
平林 義章 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (30181184)
藤森 修 名古屋市立大学, 医学部, 助教授 (30128350)
佐藤 嘉晃 北海道大学, 歯学部・附属病院, 講師 (00250465)
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Keywords | 微小血管 / 機械的刺激 / 不正咬合 / 歯根膜 |
Research Abstract |
1.歯槽骨の骨細胞間ネットワークの成長と加齢による変化 咬合力、矯正力などの刺激により惹起される微小血管を含む歯根膜の細胞の反応により、歯槽骨に吸収、添加が生じるが、その歯槽骨の側における成長・加齢変化を明らかにした。すなわち、ラット下顎歯槽骨を試料として、生後1、2、3、6、12か月における成長と加齢による歯槽骨の変化を、組織学的に観察するとともに、樹脂鋳型法(SEM)を用いて、刺激の情報伝達に関与する骨細胞間のネットワークにおける加齢変化を明らかにした。 2.ラット歯根膜の微小血管径の維持に対する咬合力の影響 ラット歯根膜を用いて、器械的刺激である咬合力の有無の条件を変化させ、微小血管の収縮に関与するエンドセリンの出現様相を免疫組織学的に観察し、咬合力が作用している条件下で多くのエンドセリンが観察されることから、器械的刺激に対する微小血管の形態変化にエンドセリンの関与があることを明らかにした。 3.BALB/C-bm/bmマウスの不正咬合実験モデルの確立 マイクロエックス線CT写真を用いて先天的に前歯部に交叉咬合を有するBALB/C-bm/bmマウスの解剖学的な形態を評価し、同腹のマウスにおいても前歯部の交叉咬合の有無によって骨格形態の差異が生じている事を明かにし、成長、加齢変化を検討する上で不正咬合の実験モデルとして有用である事を示した。 4.臨床検査系の確立 咀嚼時咬合力の様相の加齢変化により、歯根膜の微小血管に対する器械的刺激が影響を受ける事から、その変化を客観的に捉えるため、咀嚼筋である咬筋の易疲労性を評価する検査系を確立した。すなわち、近赤外分光血流計を用いて、咬筋の酸素飽和度を計測する方法を開発し、その有効性を確認するとともに、適切な指標の選択と、正常値を明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 高木洋美: "ラット歯槽骨の成長と加齢に伴う骨細胞間ネットワークの形態変化"北海道歯学雑誌. 22・2. 142-153 (2001)
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[Publications] 山崎与志紀: "実験的歯の後戻りにおける根尖部歯周組織の改造に関する光学顕微鏡的研究"北海道歯学雑誌. 22・2. 154-167 (2001)
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[Publications] Hayashi Yuko: "Effects of occlusal hypofunction on the microvasculature and endothelin expression in the periodontal ligaments of rat molars"Orthodontic Waves. 60・6. 373-380 (2001)
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[Publications] Ayako Kondo: "Assessment of fatigue tendency of masseter muscle using near-intrared spectroscopy"Hokkaido Journal of Dental Science. 22・2. 220-230 (2001)