2001 Fiscal Year Annual Research Report
常染色体およびX染色体上に位置するSTRローカスの繰り返し塩基配列の構造解析
Project/Area Number |
12470467
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小室 歳信 日本大学, 歯学部, 教授 (50139200)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堤 博文 日本大学, 歯学部, 助手 (30188594)
向山 レイ 日本大学, 歯学部, 講師 (40059902)
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Keywords | 歯科法医学 / 歯髄 / X染色体 / DNA / 個人識別 / 同鎖長異型 / 物体検査 |
Research Abstract |
X染色体STRローカスの中からDXS986ローカスを選択し、その塩基配列の構造を解析して法医鑑識領域への有効性について検討した。 試料DNAは、当教室で保存されていた歯から採取した、男性歯髄54例および女性歯髄14例から抽出した。PCRプライマーはforward:5'-cacacacaggtttctagc-3'およびreverse:5'-catttttatggccatggtat-3'を新たに設定し、PCR反応液は30μl系で行った。PCRサイクルは95℃・30秒、54℃・30秒、72℃・40秒を30回行った。PCR産物を電気泳動し、銀染色法でDNAバンドを検出した。その後、DNAバンドを精製し、ダイレクトシークエンスを行って塩基配列の構造解析とDNA型を判定した。 その結果、試料68例のDNA鎖長は171〜203bpであり、アリール26〜37(171〜193bp)と42(203bp)の計13アリールが検出された。なお、アリールNo.はシークエンシングにより得られたCAおよびTAの反復配列の総和〔(ta)_p(ca)_q:p+q〕をもって決定した。遺伝子頻度は、アリール34(187bp:28.0%)が最も高く、ついでアリール30(179bp:20.7%)、アリール35(189bp:13.4%)の順であった。Gene diversityは0.837であった。全試料DNAについてシークエンシングを行ったところ、13アリールのうちアリール27、29〜31、33〜35および37の8アリールに同鎖長異型(p=11〜20と26、q=13〜21)が確認され、29パターンに分類された。Gene diversityは0.935となり、識別精度は向上した。 平成11・12年度の本報告書において報告したvWA・DYS389・DYS390ローカスにDXS986ローカスを加えて検査することで、男女の混合試料においては性別判定のみならず、より精度の高い個人識別も期待され、法医鑑識上、極めて有益である。
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Research Products
(1 results)