2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470469
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 正夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00193152)
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
遠藤 英昭 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168830)
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Keywords | 樹状細胞 / Porphyromonas gingivalis / LPS / 線毛 / 炎症性サイトカイン産生 |
Research Abstract |
歯周炎の炎症歯肉組織において、樹状細胞(DC)は抗原提示細胞として特異免疫応答の開始に重要な役割を果たすのみならず、細菌菌体物質による活性化を受けて、ホーミングしたメモリーT細胞による免疫応答の調節を制御する。本年度は、歯周病原性細菌と目されるPorphyromonas gingivalisに対する歯周病巣局所での免疫応答調節機構を明らかにするために、同菌由来線毛ならびにLPSのDCに対する作用をケモカインならびに調節性サイトカイン産生を指標として検討した。LPSならびに線毛はP.gingivalis381株より調製した。またDCはヒト末梢血単核球中の付着細胞をヒトrIL-4およびrGM-CSF存在下で培養することにより得た。DCからのケモカインならびにサイトカイン産生はELISA法により測定し、同細胞表面抗原の発現はFACSにより調べた。末梢血DCをP.gingivalis LPSで刺激するとIL-8,MCP-1,IL-6,IL-10およびIL-12の著しい産生増強がみられた。一方、DCを線毛で刺激するとIL-8,MCP-1,IL-6産生はLPSの場合と同程度であった。しかし、同刺激によるIL-12産生は低いのに対し、RANTES産生の著しい産生増強が認められ、LPSの場合とは異なったDC活性化を誘導することが明らかとなった。これらの結果からP.gingivalis LPSならびに線毛はともにDCを活性化することにより、炎症歯肉における免疫応答調節に関わることが示された。さらに同菌由来のLPSはIL-12産生を強く誘導することから、Th1型の免疫応答を誘導するのに対し、線毛によるDC活性化はTh2型の反応に関わるものと考えられた。
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Research Products
(1 results)