2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470469
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
島内 英俊 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (70187425)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飯山 正夫 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (00193152)
根本 英二 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40292221)
遠藤 英明 東北大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80168830)
|
Keywords | 樹状細胞 / P. ginigivalis / LPS / CD14 / CD16 / CD40 |
Research Abstract |
歯周病局所には同病巣歯肉中にTh1およびTh2タイプのヘルパーT細胞が集積され、細胞性ならびに体液性免疫応答が活発に誘導されている。これらの歯周病原性細菌に対する特異的免疫応答の開始に際して、歯肉中のLangerhans cellあるいはinterstinal dendritic cellなどの樹状細胞(DC)が、同細菌由来抗原を獲得してナイーブあるいはメモリーT細胞に抗原提示することにより重要な役割を果たしている。またDCは昨年度明らかにしたようにLPS刺激によりその表面にCD40などのco-stimulatory moleculeを表現している。今年度はまずDC細胞表面に誘導されたCD40の炎症局所への浸潤細胞である好中球由来のHuman Leukocyte Elastase (HLE)による分解を検討した。その結果、DC上のCD40は歯肉線維芽細胞のそれと異なりHLEでは分解されず、炎症局所においても強く免疫応答を制御していることが明らかとなった(Nemoto E. et al., J. Leukocyte Biol. 2002)。また昨年度明らかとなったP. gingivalis LPS刺激により誘導されるmature DCの細胞フェノタイプについてさらに検討を加えた。その結果、E. coli LPS刺激では、細胞表面のco-stimulatory moleculeの強発現ならびに種々のサイトカイン産生が誘導されて、DCのmaturationが強く引き起こされるのに対して、P. gingivalis刺激ではCD14^-のimmature DCの細胞表面に再度CD14のみならずCD16発現が生じ、CD14^+CD16^+CD1a^+の非常にユニークなフェノタイプのDCが誘導されることが明らかとなった(Kanaya S. et al., Eur. J. Immunol.投稿中)。このフェノタイプのDCはHIV感染の際に誘導されることが報告されているが、LPSなどの細菌菌体成分刺激で誘導されることを見いだしたのは本研究が初めてであり、この特殊なフェノタイプのDCは歯周病巣の慢性化に関連するものと考えられる。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Nemoto, E., Tada, H., Shinauchi, H.: "Disruption of CD4O/CD4O Ligand with Cleavage of CD4O on Human Gingival Fibroblasts by Human Leukocyte Elastase Resulting in Down-Regulation of Chemokine Production"Journal of Leukocyte Biology. 72・3. 538-545 (2002)
-
[Publications] 島内英俊: "慢性炎症としての歯周病成立機構:歯周病原性細菌Porphyromonas gingivalisの病態形成への関わり"大阪大学歯学雑誌. 46・1. 62-73 (2002)