2000 Fiscal Year Annual Research Report
粘膜感染でのγδT細胞活性化における上皮系サイトカインの役割の検討
Project/Area Number |
12470473
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
野口 俊英 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50014262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 章雄 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (50329611)
石原 裕一 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50261011)
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Keywords | 粘膜感染 / 上皮系サイトカイン / γδT細胞 / Th1 |
Research Abstract |
BALB/cマウス、C57BL/6マウス及びC57BL/6由来のIL-15トランスジェニック(Tg)マウス8週齢雌に、経口的にL.monocytogenes1.0×109CFUを投与し、感染後のパイエル板、腸間膜リンパ節、肝臓、脾臓における菌数を培養法にて測定したところ、全ての臓器においてIL-15Tg、C57BL/6、BALB/cマウスの順の抵抗性を示した。この抵抗性の差がTリンパ球の分画の違いによるものかどうかフローサイトメーターで解析を行ったが各マウス間及び感染前後で差は認められなかった。次に腸管上皮間Tリンパ球の機能を解析するためサイトカイン遺伝子の発現をRT-PCR法で、またサイトカイン産生能をELISA法で測定した。遺伝子レベルではαβ,γδT細胞共にBALB/cに比べC57BL/6においてIL-2及びIFN-γmRNAの増強が認められた。タンパクレベルでは、CD3刺激において両マウスとも感染後IFN-γの産生が有意に上昇したが、IL-4はC57BL/6において感染後減少傾向を示し、BALB/cにおいては感染3日目に産生量が回復する結果が得られた。BALB/cに比べC57BL/6では、より強くTh1型に傾き、細胞性免疫へ誘導されていることが示唆された。そこで、この細胞性免疫への誘導における上皮系サイトカインの関与を調べるため、腸管上皮細胞のサイトカイン遺伝子の発現について検討したところ、IL-7及びIL-15mRNAの発現はBALB/cに比べてC57BL/6において感染1日目で有意に高い結果が得られた。また、IL-15Tgマウスにおいては感染前よりIL-15が強発現していた。 これらのことより粘膜感染における両マウス間の抵抗性には、上皮細胞から産生されるIL-15及びIL-7の産生能が関与し、上皮間リンパ球の増殖活性化因子として働き、初期の感染防御に重要であることが考えられる。
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Research Products
(1 results)