2000 Fiscal Year Annual Research Report
昆虫を用いた新生物試験法の開発とそれを用いた未利用資源の新規生物活性分子の探索
Project/Area Number |
12470474
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大島 吉輝 東北大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00111302)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菊地 晴久 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (90302166)
倉田 祥一朗 東北大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (90221944)
高谷 芳明 名城大学, 薬学部, 助教授 (80301034)
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Keywords | 自然免疫 / 昆虫 / アッセイ法 / 昆虫共生菌 / 昆虫寄生菌 / 粘菌 |
Research Abstract |
1.昆虫を用いた生物活性分子探索スクリーニングシステムの構築 生体防御遺伝子の転写制御領域にb-galactosidaseを産生させるためのレポーター遺伝子を組み込んだ遺伝子を導入した遺伝子組換えショウジョウバエを用いて、生体の自然免疫の賦活あるいは抑制の度合いを検出するためのアッセイ法を開発した。本アッセイは、自然免疫により産生される抗菌タンパク量をb-galactosidaseの産生量を測定することにより間接的に知る方法である。本アッセイは全く新しいアッセイ法である。 2.生物活性物質産生における有用資源としての共生・寄生関係にある天然資源の探索 冬虫夏草および白姜蚕は、昆虫に微生物が感染した結果として生じた生薬である。そこで、これらの生薬には自然免疫系への作用分子が含まれている可能性が高い。そこで、上記スクリーニングシステムを用いたところ、白姜蚕エキスに自然免疫抑制活性を示す物質の存在が明らかとなった。さらに、エキスを分画して、ステロイド骨格を有する物質を活性物質と特定した。 3.生物活性物質産生における有用資源としての粘菌の探索 細胞性粘菌Dictyosteliumから新規芳香族成分を単離した。この化合物は、粘菌の増殖を抑える効果を示した。これらの物質の単離は、粘菌がさまざまな経路により二次代謝産物を産生することを示すものである。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshiaki Takaya: "Novel Aromatic Substances, Dictyomedin A and B, from Dictyostelium Cellular Slime Molds and Their Inhibitory Effects on Dictyostelium Development"Tetrahedron Lett.. 42. 61-63 (2001)
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[Publications] 大島吉輝(前田靖男編著者): "薬学からみた細胞性粘菌(モデル生物:細胞性粘菌)"アイピーシー. 386 (2000)