2002 Fiscal Year Annual Research Report
リチウムエノラートの触媒的な不斉アルキル化と不斉プロトン化
Project/Area Number |
12470478
|
Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
古賀 憲司 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学教育研究センター, 教授 (10012600)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白井 隆一 奈良先端科学技術大学院大学, 物質科学教育研究センター, 助教授 (80183838)
|
Keywords | 触媒的不斉脱プロトン化 / 触媒的不斉アルキル化 / 触媒的不斉プロトン化 / 四座配位子型キラルアミン / 二座配位子型アキラルアミン |
Research Abstract |
多座配位子型キラルアミン、とくに四座配位子型キラルアミンの設計と合成を行い、これらを用いたプロキラルなリチウムエノラートのエナンチオ選択的不斉アルキル化、不斉プロトン化の効率化と、これらの反応を不斉触媒化する方策を検討した。 (1)触媒的不斉アルキル化:シクロヘキサノンや1-テトラロンから得た対応するリチウムエノラートの不斉アルキル化反応を検討中に、この反応の化学収率は用いる配位子の価数によって大きく変化し、単座、二座配位子の共存下では化学収率が抵く、三座配位子の共存下で少し向上し、四座配位子の共存で大きく向上することが判明した。この結果を活用し、2当量の二座配位子型アキラルアミンの存在下に触媒量(5mol%)の四座配位子型キラルアミンを用いることによって、本アルキル化反応を不斉触媒化できることを明らかにした。 (2)触媒的不斉プロトン化:プロトンも求電子剤であるが、プロトン化反応は速い反応である。四座配位子型キラルアミンを化学量論量用いた不斉プロトン化反応を触媒化するためにプロトン源を極めて僅かづつ添加する方法を考案し、これでも触媒回転が見られることを示したが、2当量の二座配位子型アキラルアミンの存在下に触媒量の四座配位子型キラルアミンを用いることによって、アルキル化の場合と同様に、触媒化を実現することができた。しかし、本触媒的不斉プロトン化の反応機構については不明の点もあり、今後の更なる検討が必要である。
|