2000 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス発現の分子機構解明への有機化学的アプローチ
Project/Area Number |
12470481
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宍戸 宏造 徳島大学, 薬学部, 教授 (20006349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
寺田 弘 徳島大学, 薬学部, 教授 (00035544)
新藤 充 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40226345)
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Keywords | ボンクレキン酸 / アポトーシス / 全合成研究 / 不斉アルキル化 / ミトコンドリア / 高井法 / 鈴木カップリング |
Research Abstract |
ボンクレキン酸はPseudomonas cocovenenansが生産する毒素であり1970年に構造決定された。そしてその作用部位がミトコンドリア内膜のヌクレオチド輸送担体であることが明らかにされたが、近年その作用がアポトーシス誘導阻害作用となることが判明し、今やボンクレキン酸はアポトーシス研究の必須ツールとして位置づけられている。しかしながら現段階では微生物の培養による供給は困難とされ化学合成による効率的大量供給法の確立が強く望まれている。本研究ではボンクレキン酸の全合成及び誘導体の分子設計と合成、ならびに得られた化合物の生理活性の評価を通じてアポトーシス誘導の分子機構の解明という問題に有機化学の立場からアプローチすることを目的とする。本年度はボンクレキン酸のボンクレキン酸の収斂型全合成を目的にleft-hand segmentとright-hand segmentの合成研究を行い以下の成果を得た。 1,left-hand segmentの合成 市販のcis-2-butene-1,4-diolを原料に4工程で得られたtrans-1一halo-4-siloxy-2-buteneを求電子剤にOppolzerの不斉アルキル化反応で不斉炭素を構築後、高井法によるトランスアルケニル化を経てアルケニルホウ酸エステルを得た。一方、市販の3-butyn-1-olを保護、アルキル化、還元によりヨウ化アルケンを得た。これらのユニットを鈴木カップリングにより結合させた後、末端アルコールをスルフォンに官能基変換することでleft-hand segmentの合成が完了した。 2,right-hand segmentの合成 市販のD-マンニトールを10工程で(S)-0-trityl-umbelactoneを合成した。これをDIBAL還元後Wittig反応により(E,Z)-diene骨格を構築した。このジオール部位をエポキシに変換後、プロパルギルアルコールから4工程で合成した5-siloxy-3-penten-1-yneのアセチリドとカップリングさせright-hand segment骨格を合成した。これをメチルーエーテル化後、リンドラー還元によりright-hand segmentの合成をほぼ完了した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] K.Takabatake: "Enantioselective Total Synthesis of Heliannuol D and A."J.Chem.Soc.Perkin 1. 1807-1808 (2000)
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[Publications] M.Shindo: "Stereoelectronic Effect on Stereoselective Olefination of Ketones Providing Tetrasubstituted Olefins via Ynolates"J.Org.Chem.. 65. 5443-5445 (2000)
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[Publications] K.Sato: "Total Synthesis of (-)-Heliannuol E"J.Org.Chem.. 66. 309-314 (2001)
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[Publications] M.Shindo: "The Efficient Entry into the Tricyclic Core of Halichlorine"Tetrahedron Lett. 41. 929-932 (2000)
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[Publications] Y.Shinohara: "Characterization of porin isoforms expressed in tumor cells."Eur.J.Biochem.. 267. 6067-6073 (2000)
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[Publications] N.Yamazaki: "Novel expression of equivocal messages containing both regions of choline/ethanolamine kinase and muscle type carnitine palmitoyl-transferase I"J.Biol.Chem.. 275. 31739-31746 (2000)