2001 Fiscal Year Annual Research Report
アポトーシス発現の分子機構解明への有機化学的アプローチ
Project/Area Number |
12470481
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
宍戸 宏造 徳島大学, 薬学部, 教授 (20006349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
篠原 康雄 徳島大学, 薬学部, 助教授 (60226157)
寺田 弘 徳島大学, 薬学部, 教授 (00035544)
新藤 充 徳島大学, 薬学部, 助教授 (40226345)
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Keywords | アポトーシス / ボンクレキン酸 / 全合成 / エナンチオ選択的合成 / 鈴木カップリング |
Research Abstract |
本年度は、ボンクレキン酸の全合成の完結をめざし検討を行った。 1、前年度に完成した左側セグメントの合成研究で得た知見を基に、右側セグメントの合成を検討した。D-マンニトールより文献記載の方法に改良を加え、(S)-トリチルウンベラクトンを合成した。これをDIBAH還元、Wittig反応を経て(Z, E)-ジエン単位を構築した。ジオール部位をエポキシドに変換後、プロパルギル単位を導入、アセチレンユニットのシス還元によりトリエノールに導いた。最後に、Wittig反応によってC2単位を導入後、還元、臭素化を経て右側セグメントに相当するテトラエンブロミドのエナンチオ選択的合成を完成した。 2、両セグメントの結合と全合成への接近:左側セグメントのスルホンアニオンを右側セグメントであるテトラエンブロミドでアルキル化を行し、両セグメントを結合しボンクレキン酸バックボーンの構築を行った。ベンゼンスルホニル基の除去は困難を極めたが、C_<22>エステル部を一旦還元後、ナトリウムアマルガムで還元することにより達成出来た。次いで、C_1及びC_<22>一級水酸基のエステル基への変換を行った。全合成に必要な操作は、C_<24>アルコールのエステルヘの変換と、トリエステルのカルボキシル基への誘導のみであり、全合成達成へあと一歩と迫った。 この研究で得た最大の成果は、ボンクレキン酸の種々の類縁体の合成を可能にするルートを開拓できたことであり、ボンクレキン酸を凌ぐ強力な活性化合物の開発と活性発現機構の解明に大きく貢献できるものである。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Sato: "Total Synthesis of(-)-Heliannuol E"J. Org. Chem.. 66・1. 309-314 (2001)
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[Publications] K.Yuki: "Enantioselective Total Synthesis of (-)-Equisetin Using Me3Al-Mediated Intramolecular Diels-Alder Reaction"Tetrahedron Letters. 42・13. 2517-2519 (2001)
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[Publications] M.Shindo: "The First Tandem [2+2] Cycloaddition-Michael Reaction Using Ynolates : Facile Construction of Substituted Carbocycles"Organic Letters. 3・13. 2029-2031 (2001)
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[Publications] M.Shindo: "Practical Synthesis of Ynolate Anions : Naphthalene-catalyzed Reductive Lithiation of α,α-Dibromo Esters"Tetrahedron Letters. 42・47. 8357-8360 (2001)
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[Publications] M.Shindo: "A Novel Tandem [2+2] Cycloaddition-Dieckmann Condensation with Ynolate Anions, Efficient Synthesis of Substituted Cycloalkenones and Naphthalenes via Fomal [n+1] Cycloaddition"J. Org. Chem.. 66・23. 7818-7824 (2001)
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[Publications] Y.Takekawa: "Fragmentation Reaction of Optically Active Trisubstituted Cyclopropylcarbinyl Radicals"J. Org. Chem.. 66・25. 8490-8503 (2001)
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[Publications] 宍戸宏造(分担執筆): "廣川 薬科学辞典(第3版)"薬科学辞典編集委員会(廣川書店). 2225 (2001)