2000 Fiscal Year Annual Research Report
非結合性相互作用を機軸とする新反応メディアの構築とその応用研究
Project/Area Number |
12470482
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
長尾 善光 徳島大学, 薬学部, 教授 (40027074)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 茂樹 徳島大学, 薬学部, 助教授 (20226038)
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Keywords | 非結合性相互作用 / 分子認識 / 反応メディア / アシルアミノチアジアゾール / アシルイミノチアジアゾリン / チアゾール / X線結晶構造解析 / ab initio |
Research Abstract |
われわれは一連の新反応及び新規不斉誘導反応の過程で各種非結合性相互作用(S…O、S…S、S…N、S…ハロゲン、S…π等の相互作用、C=OとC=S間の双極子-双極子反発、芳香環同志の分子内π…π相互作用、CH…O相互作用、CH…π相互作用、C^+…π相互作用)を見出した。そこで、このような非結合性相互作用現象を分子認識の手段として複合的に採用した有機反応設計や反応メディア(または医薬品)設計を有機反応や医薬品開発における独自の新戦略として本研究に着手した。先ずアンジオテンシンII受容体拮抗剤のモデル分子として各種アシルアミノチアジアゾール誘導体、ヌクレオシド類似のテトラヒドロフロイルアミノチアジアゾール誘導体を合成し、X線結晶構造解析やラジカル分子存在下における^1H-NMR分析に付したところ、それらは分子内非結合性S…O相互作用と分子間水素結合による二量体構造であることが明らかとなった。ついで、3種の新規オルトハロフェニルアシルイミノチアジアゾリン誘導体を合成しX線結晶構造解析に付したところ、新規な分子内非結合性O…S…X(X=F、Cl、Br)相互作用の存在を明らかにすることに成功した。さらに、反応メディアや医薬品合成開発に有用な各種モノ-、ビ-、トリ-、テトラ-チアゾール誘導体を合成し、X線結晶構造解析やab initio MO計算により各種非結合性S…X(X=O、N、S、Br)を確認証明した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yoshimitsu Nagao: "Desulfurilative Self-coupling Reaction of 1, 3-Thiazolidine-2-thiones and Intramolecular Non-bonded S…S Interaction in the Crystallographic Structure of the Products"Journal of Organometallic Chemistry. 611・. 172-177 (2000)
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[Publications] Yoshimitsu Nagao: "Synthesis of a New Class of Cathepsin B Inhibitors Exploiting a Unique Reaction Cascade"Tetrahedron Letters. 41・14. 2419-2424 (2000)