2000 Fiscal Year Annual Research Report
化学手法による標的分子の迅速同定とリガンド結合部位の高感度解析一般法の確立
Project/Area Number |
12470483
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
中山 仁 熊本大学, 薬学部, 教授 (70088863)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川合 述史 自治医科大学, 名誉教授 (00073065)
國安 明彦 熊本大学, 薬学部, 助手 (90241348)
益田 勝吉 サントリー生物有機科学研究所, 研究員 (30190359)
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Keywords | 光アフィニティラベル / 抗リガンド抗体 / TOF-MS / ESI-MS / MS / ラベル化ペプチド断片 / 結合部位の同定 / 神経特異的ハチ青 |
Research Abstract |
薬物や生理活性物質の標的となる高分子の同定と結合構造の詳細を一挙に明らかにできるのは、光アフィニティラベル(PAL)法を用いる化学的手法に限られる。それにもかかわらず、PAL法が、それほど広範には利用されていない最大の理由は、ラベルペプチドの特異的回収とこれを高感度・高精度に検出する分析手法が確立していなかったためである。これをふまえ、本研究では、この手法を普遍化するのに必要な条件を確立し、「高感度・高精度な標的分子の同定およびリガンド結合部位の精密解析の一般法」として提案すること目的としている。研究初年度に当たる本年度に得られた成果は、以下のとおりである。 (1)高い力価をもつハプテン抗体の産生:神経のNaチャンネルを特異的にブロックする新しいハチ毒β-PMTXの結合部位解析をめざし、PAL用試薬としてベンゾフェノン基を含むβ-PMTX誘導体1を作製した。また同様の官能基をもつβ-PMTX誘導体をハプテンとして、これを認識する抗体を調製した。この抗体は、1で光ラベルしたラット脳のNaチャンネルを、ピコモル以下の量でも検出できる力価を有していることが確かめられた。 (2)MS/MS分析の高感度化:キャピラリーLCとMS/MSをオンライン化することによって、nanoESI-MS/MS用試料の脱塩を超微量で行えるようになった。 (3)ユニークな活性をもつβ-PMTXアナローグの合成:活性の強いβ-PMTXアナローグの作製の一環として、いくつかのペプチドを合成したが、その一つ、β-PMTXの部分構造を繰り返すペプチドに、β-PMTXの結合をかなり強く阻害する活性を認めた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H,K,Motoike et al.: "A region in IVS5 of the human cardiac L-type calcium channel is required for the use-dependent block"J.Biol.Chem.. 274(14). 9409-9420 (1999)
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[Publications] A.Kuniyasu et al.: "A new scorpion toxin (Bmk-PL) stimulate Ca^<2+>-release channel activity of the skeletal-muscle ryanodine receptor"Biochem.J.. 339. 343-350 (1999)
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[Publications] K.Furuta et al.: "[^<35>S]S-[5(4-benzoylphenyl)pentyl] glutathione : A versatile radioligand targeting GS-X pump"Bioorg.Med.Chem.Lett.. 9. 2661-2666 (1999)
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[Publications] V.T.G.Chuang et al.: "Helix 6 of subdomain IIIA of HSA is the region primarily photolabeled by ketoprofen"Biochim.Biophys.Acta. 1434. 18-30 (1999)
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[Publications] N.Ohgami et al.: "Glibenclamide acts as an inhibitor of acyl-CoA : cholesterol acyltransferase enzyme"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 277. 417-422 (2000)
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[Publications] N.Ohgami et al.: "CD36, a member of the class B scavenger receptor family, as a receptor for advanced glycation end products"J.Biol.Chem.. 276(5). 3195-3202 (2001)