2000 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト胎児肝に特異的に発現しているCYP3A7の発現調節機構に関する研究
Project/Area Number |
12470491
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鎌滝 哲也 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (00009177)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 範高 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助教授 (00243957)
藤田 健一 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (60281820)
高橋 芳樹 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 助手 (80292019)
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Keywords | 時期特異的発現調節 / CYP3A4 / サルモネラ菌 |
Research Abstract |
研究目的:チトクロームP450(P150またはCYP)分子種の内でもCYP3A7はヒトの胎児に特異的に存在することが特徴である。胎齢2ヶ月程度から発現し、薬毒物の解毒や活性化を触媒する。我々はこれまでの研究により、以下の興味ある事実を見いだしてきている。すなわち、1)ヒトとは異なりラットやマウスなどの実験動物の胎仔にはP450は存在しない。2)CYP3A7はヒト胎児に特異的に発現しており、成人では認められず、代わって成人には特異的にCYP3A4が発現している。以上の事実をふまえ、本研究の目的は、ヒトの胎児のP450に関する発現調節機構や機能について詳細に調べることにある。 研究実績:胎児および成人特異的な発現に関して:CYP3A7とCYP3A4遺伝子の上流領域の塩基配列を比較したところ、90%の相同性があることが分かった。しかし、HcpG2細胞における転写活性化能を比較したところ、CYP3A7の転写活性は、検出できたが、CYP3A4の転写活性は、ほとんど検出できなかった。CYP3A7の転写活性化に関与する領域を調べたところ、CYP3A4の配列とは、1塩基のみ異なっていた。今後は、この配列に結合する因子を解析する予定である。ヒト胎児型チトクロームP150を発現するサルモネラ菌の開発:ヒトの胎児に特異的に発現するCYP3A7の毒性学的意義を明らかにするために、CYP3A7cDNAをNADPH-チトクロームP450還元酵素と共に同じベクター内に組込み、同時発現ベクターを構築した。今後は、このサルモネラ菌を使い、CYP3A7の毒性学的役割を明らかにする。
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[Publications] Eri lnoue, Tetsuya Kamataki et al.: "Development of bacterial expression system with high yield of CYP3A7, a human fetus-specific form of Cytochrome P450"Biochem.Biophys.Res.Commun.. 269(2). 623-627 (2000)
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[Publications] Taisei Mushiroda, Tetsuya Kamataki et al.: "The house musk shrew (Suncus murinus) : a unique animal with extremely low level of expression of mRNA for CYP3A and flavin-containing monooxygenase."Comparative Biochemistry & Physiology. 126. 225-234 (2000)
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[Publications] Takashi Satoh, Tetsuya Kamataki et al.: "Studies on the interactions between drugs and estrogen. Analytical method for prediction system of gynecomastia induced by drugs on the inhibitory metabolism of estradiol using Escherichia coli co-expressing human CYP3A4 with human"Anal.Biochem.. 286. 179-186 (2000)