2000 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470493
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
仁科 博史 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助教授 (60212122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紺谷 圏二 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (30302615)
星野 真一 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 助手 (40219168)
堅田 利明 東京大学, 大学院・薬学系研究科, 教授 (10088859)
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Keywords | 胎児肝 / 肝芽細胞 / MAPキナ-ゼ / SEK1 / JNK / c-Jun / 造血幹細胞 / AML-1 |
Research Abstract |
マウスの肝形成は、自己複製能と分化能を有する肝芽細胞の出現と増殖に始まる初期肝形成(胎生9.5から12.5日)と、成熟した肝細胞へ分化・成熟する後期肝形成(胎生13.5日以降)の2つの時期からなると考えられている。しかしながら、肝形成の細胞・分子レベルでの研究は近年始まったばかりであり、肝芽細胞の同定・分離を含む初期肝形成の解析は遅れているのが現状である。我々はこれまでに、ストレス応答性のMAPキナーゼシグナル伝達系であるSEK1→SAPK/JNK→c-Jun系が、初期肝形成の生存に必須の役割を果たしていることを明らかにしてきた。本研究では、初期肝形成に着目し、肝芽細胞特異的なモノクローナル抗体(抗Liv2抗体と命名)を作製し、これを用いて、肝形成不全であるSEK1及びc-Jun欠損マウスの解析をおこなった。その結果、これらの胎児肝では肝芽細胞の増殖能が著しく低下していること、増殖刺激に対するSAPK/JNKの相乗的な活性化能が失われていることを明らかにした。また、胎児肝は造血幹細胞の増殖や各種血液細胞分化の場としても機能することから、初期肝形成と造血との関連を明らかにする目的で、造血幹細胞形成不全であるAML-1及びc-Myb欠損マウス胎児肝を解析した。その結果、肝芽細胞は野生型に比べてむしろ増加していることが観察され、初期肝形成における肝芽細胞の出現・増殖が、造血系の形成とは独立に進行している可能性を初めて明らかにした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] K.Bachmaier, et al.: "Negative regulation of lymphocyte activation and autoimmunity by the molecular adaptor Cb1-b."Nature. 403. 211-216 (2000)
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[Publications] T.Katada, et al.: "Enzymatic and Signal Transduction Properties of CD38/NADase and PC-1/Phosphodiesterase."Chem.Immunol.. 75. 60-78 (2000)