2001 Fiscal Year Annual Research Report
神経特異的タンパク質X11L(ヒトLIN10)の機能と神経変性への関与
Project/Area Number |
12470494
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鈴木 利治 北海道大学, 大学院・薬学研究科, 教授 (80179233)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石 龍徳 順天堂大学, 医学部, 講師 (20175417)
|
Keywords | アルツハイマー病 / β-アミロイド / アミロイド前駆体タンパク質 / X11-like / 遺伝子ノックアウトマウス / XB51 |
Research Abstract |
アルツハイマー病の発病原因として、β-アミロイド(Aβ)の生成・分泌・凝集・細胞外蓄積が考えられている(アミロイド仮説)。Aβは、前駆体タンパク質APPから細胞内で生成される。APPの細胞質ドメインは、APPの代謝・生理機能を制御する複数のモチーフを含んでいる。我々は、APPの代謝・生理機能を分子レベルで理解する目的で、APP細胞質ドメインのモチーフと相互作用するタンパク質を単離している。その中の1つ、我々が単離してきたX11Lは神経特異的に発現する事から、神経細胞におけるAPPの代謝・生理機能制御に重要な役割を果たしていると予想された。平成12年度は、X11Lの機能ドメインの解析を行い、X11LのN-末端領域と相互作用する細胞内タンパク質XB51の単離を行い、その機能解析を報告した。平成13年度は、X11LのPIドメインと相互作用する新規膜タンパク質XB31の単離を行った。XB31はAPPと同様の構造を持つ一回膜貫通型の膜タンパク質である。XB31とAPPは協調的にX11LのPIドメインに結合して三量体を形成することを明らかにした。現在、XB31とX11Lの機能解析を進めている。 平成12年度に、個体におけるX11Lの機能を検定する目的で、X11Lノックアウトマウスの作成を開始し、BL/6マウスゲノムライブラリーからクローニングしたX11Lの1stメチオニンを含むエクソンをNeo耐性遺伝子に置き換えたターゲティングベクターを作成し、BL/6系ES細胞に導入し、相同遺伝子組み換え体細胞を得た事を報告した。今年度は、この細胞をマウス初期胚に導入し、キメラマウスの作成の作成に成功し、交配によりホモ遺伝子ノックアウトマウスの産生に成功した。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Ando, K., Iijima, K., (2名略)、Suzki, T.: "Phosphorylation-dependent regulation of the interaction of amyloid precursor protein with Fe65 affects the production of β-amyloid"The Journal of Biological Chemistry. 276. 40353-40361 (2001)
-
[Publications] Sato, Y., (3名略)、Suzuki, T., Kirino, Y.: "β-amyloid peptides inhibit acetylcholine release from cholinergic presynaptic nerve endings isolated from an electric ray"Neuroscience Letters. 302. 97-100 (2001)
-
[Publications] Nakaya, T., (3名略)、Suzuki, T., Kirino, Y.: "Identification and expression of a novel gene in odour-taste associative learning in the terrestrial slug"Genes to Cells. 6. 43-56 (2001)
-
[Publications] 中矢正, 鈴木利治, 新井平伊: "アミロイド蛋白とアルツハイマー病"分子精神医学. 11・3. 242-250 (2001)
-
[Publications] 富田進, 鈴木利治: "タンパク質間相互作用 PDZドメイン"生体の科学. 52・5. 496-487 (2001)
-
[Publications] 多留偉功, 馳桃子, 鈴木利治: "遺伝子発現/転写および関連事象 Rel ホモロジードメイン"生体の科学. 52・5. 386-387 (2001)