2002 Fiscal Year Annual Research Report
複製前複合体形成の試験管内再構成系の確立とその制御機構の解明
Project/Area Number |
12470499
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水島 徹 岡山大学, 薬学部, 助教授 (00264060)
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Keywords | DNA複製 / ORC / Cdc6p / ATP / 活性調和 / ATPase |
Research Abstract |
ORCはATPと結合する二つのサブユニット(Orc1pとOrc5p)を持っている。しかしそれらのATP結合活性に関する生化学的解析はほとんどなされていなかった。今年度我々は、ORCのATP結合に関し、フィルター結合アッセイ法を確立しその生化学的性質を解析した。その結果、Orc5pは、Orc1pとは関係なく高い規和性(Kd値は約10nM)でATPと結合できるのに対し、Orc1pはOrc5pにATPが結合しているときは、高い親和性(Kd値は約10nM)でATPと結合できるが、Orc5pにATPが結合していないときにはその親和性が大きく低下することを発見した。またOrc1pに対するATP結合はorigin DNAによって促進されるのに対し、Orc5pに対するATP結合はorigin DNAによって影響を受けなかった。さらに、Orc5pとATPとの複合体が非常に安定であるのに対し、Orc1pとATPとの複合体は不安定であることを見出した。これらの結果は、Orc1pとOrc5pに対するATP結合がORCの活性調節に関与していることを示唆している。 Orc5pを発現している変異株(ORC5-A)の温度感受性の抑圧変異を単離するとともに、その温度感受性の分子機構を解析した。我々はORCのサブユニットの一つであるOrc4pを多量発現すると、ORC5-Aの温度感受性が抑圧されることを発見した。この抑圧はOrc4p特異的であり、他のサブユニットでは見られなかった。ORC5-Aの培養温度を高温にシフトした後、クロマチンに結合しているORC、及び結合していないORCをイムノブロット法で解析したところ、温度シフト後速やかにORCが分解していることが分かった。
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[Publications] Hoshino, T.: "Prostaglandin E_2 protects gastric mucosal cells from apoptosis via EP_2 and EP_4 receptor activation"J.Biol.Chem.. (in press).
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[Publications] Takahashi, N.: "Functions of sensor I and sensor 2 regions of Saccharomyces cerevisiae Cdc6p in vivo and in vitro"J.Biol.Chem.. 277. 16033-16040 (2002)
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[Publications] Makise, M.: "Acidic phospholipids inhibit the DNA binding activity of DnaA protein, the initiator of chromosomal DNA replication in Excherichia coli"Mol.Microbiol.. 46. 245-256 (2002)
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[Publications] Lee, J.R.: "Inhibitory effects of acidic phospholipids on the binding of Origin Recognition Complex to origin DNA"Biochem.J.. 362. 395-399 (2002)
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[Publications] Makise, M.: "Biochemical analysis on DnaA protein with mutations in both Arg328 and Lys372"Biochem.J.. 362. 453-458 (2002)
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[Publications] Mima, S.: "Conserved hydrophobic amino acid residues in the N-terminal region of DnaA protein are involved in DnaA-DnaA interaction"Biochem.J.. 365. 881-887 (2002)