2000 Fiscal Year Annual Research Report
硫黄同化代謝系を増強したトランスジェニック植物によるファイトリメディエーション
Project/Area Number |
12470510
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 光子 千葉大学, 国立環境研究所, 主任研究員 (10202491)
野路 征昭 千葉大学, 薬学部, 助手 (80271534)
|
Keywords | 硫黄同化 / システイン合成 / 環境耐性 / 遺伝子組み換え植物 / ファイトリメディエーション |
Research Abstract |
細胞質局在性のホウレンソウ由来システイン合成酵素(CSase A)遺伝子を導入した形質転換タバコ(3F)と、CSase A遺伝子に葉緑体への輸送配列を融合したキメラ遺伝子を導入した形質転換タバコ(4F)はすでに作製されている。3F、4Fそれぞれについてホモ接合体を得て交雑の親世代(F_0)とし、これらを交雑することにより雑種第一世代(F_1)を得た。3F、4Fのホモ接合体とF_1植物についてサザンブロット分析を行った結果、3Fホモ接合体では導入したCSase A遺伝子が1コピー、4Fホモ接合体では2コピー、3F、4Fの交雑により得られたF_1植物では3コピー存在することが確認された。また、3F、4Fのホモ接合体とF_1植物についてノーザンブロット分析を行った結果、導入したCSase A遺伝子が高発現していることが確認された。さらに、これらの形質転換タバコの葉より得られた粗抽出液、葉緑体画分、細胞質画分についてCSase活性の測定及びウエスタンブロット分析を行ったところ、F1植物は粗抽出液中においてコントロール植物の約5倍、3Fホモ接合体の約3倍、4Fホモ接合体の約1.3倍のCSase活性を示し、葉緑体画分においては4Fと、細胞質画分においては3Fとほぼ同等のCSase活性を示した。これらの結果から、F_1植物は細胞質、葉緑体の画方で高いCSase活性を持っていることが確認された。これらの形質転換タバコの葉におけるシステイン及びグルタチオン含量の測定を行ったところ、システイン含量、グルタチオン含量共にF1植物で最も高く、次いで4Fホモ接合体、3Fホモ接合体の順であった。
|
-
[Publications] Yasuomi Urano,Tomofumi Manabe,Masaaki Noji and Kazuki Saito: "Molecular cloning and functional characterization of cDNAs encoding cysteine synthase and serine acetyltransferase that may be responsible for high cellular cysteine content in Allium tuberosum"Gene. 257. 269-277 (2000)