2001 Fiscal Year Annual Research Report
テロメア・バンド単位で染色体由来を同定する染色体異常の自動解析システムの開発
Project/Area Number |
12470519
|
Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
嘉数 直樹 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (20264757)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 達生 京都府立医科大学, 医学部, 名誉教授 (60079746)
|
Keywords | Gバンド法 / SKY法 / 染色体カラーバンディング法 / SCAN法 / 染色体解析 / 染色体異常 |
Research Abstract |
昨年度,われわれは,特定の染色体についてGバンドに一致したバンド単位におのおの異なった色調で識別することが可能な新しい染色体カラーバンディング法としてspectral color banding(SCAN)法の開発に成功した。本年度は,Gバンド法でもspectral karyotyping(SKY)法でも完全に解析できなかったさまざまな染色体異常にSCAN法を適用し,有用であるかどうかを評価した。そして,以下の結果を得た。 1.SKY法は染色体単位でしか異常の由来を同定できないという制限があったが,SCAN法によって1バンドに相当する短い染色体断片のバンド由来を同定することができた。 2.SKY法は染色体ペインティングプローブを用いている性質上,異なる染色体間の転座の検出には偉力を発揮するが,同一染色体の内部での構造異常(逆位,重複など)は色調の変化としてとらえることができなかった。しかし,SCAN法によって重複を検出することができた。 3.複雑な構造異常の場合は,Gバンド法でもSKY法でも切断点を決定することは困難である。しかし,SCAN法によって,複雑な染色体転座でも切断点を精確に決定できることが明らかになった。特に悪性リンパ腫の2症例で,SKY法でも切断点が同定できなかった複雑な染色体転座にSCAN法を適用し,いずれも新規の3q27転座を検出できた。両者ともFISH法で3q27バンドに存在するBCL6遺伝子内での切断が明らかになり,SCAN法の結果が正しいことを確認できた。 上述の1〜3のようなGバンド法やSKY法でも完全に解析できなかった染色体異常を,SCAN法は同定することができる。SCAN法によってGバンド法やSKY法の限界や欠点が補完され,一段と精度の高い染色体解析が可能であることが示された。
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] Kakazu N, et al.: "Development of spectral colour banding in cytogenetic analysis"Lancet. 357. 529-530 (2001)
-
[Publications] Kakazu N, et al.: "Involvement of the NUP98 gene in a chromosomal translocation t(11:20)(p15;q11.2)in a patient with acute monocytic leukemia(FAN-M5b)"Int J Hematol. 74. 53-57 (2001)
-
[Publications] Kitabayashi I, et al.: "Fusion of MOZ and p300 histone acetyltransferases in acute monocytic leukemia with at(8;22)(p11;q13) chromosome translocation"Leukemia. 15. 89-94 (2001)
-
[Publications] Chu D, et al.: "Cloning and characterization of LUN, anovel RING finger protein that is highly expressed in lung and specifically binds to a palindromic sequence"J.Biol.Chem.. 276. 14004-14013 (2001)
-
[Publications] Kimura S, et al.: "A granular CD4+CD56+blastic natural killer leukemia/lymphoma"Ann Hematol. 80. 228-231 (2001)
-
[Publications] Wakayama T, et al.: "A variant form of myelodysplastic syndrome with Ph-minor-BCR/ABL transcript"Int J Hematol. 74. 58-63 (2001)
-
[Publications] 嘉数 直樹.阿部 達生: "ゲノムサイエンスの新たなる挑戦"共立出版. 448 (2001)