2001 Fiscal Year Annual Research Report
薬物代謝酵素CYP2D6の遺伝子解析をEBM実践に応用するための基盤研究
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12470525
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
東 純一 大阪大学, 薬学研究科, 教授 (30144463)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 勇 大阪大学, 薬学研究科, 助教授 (30281132)
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Keywords | CYP2D6^*1 / CYP2D6^*10 / CYP2D6^*36 / 発現系 / 競合阻害 / β遮断薬 / CYP2D6^*5 / 誤判定 |
Research Abstract |
この当研究室により構築した発現系によりCYP2D6^*1、CYP2D6^*10、CYP2D6^*36のブフラロールについての代謝活性について検討した。Vmax/Kmは^*10、^*36とも^*1より低下していた。CYP2D6^*36のアレル頻度は約2%であった。CYP2D6は多くのβ遮断薬の代謝に係わっていること、さらにCYP2D6は多くの循環器系、精神科系の薬物の代謝に係わっていることなどより多剤が併用されることが多く、薬物問相互作用について把握しておくことが必要である。このため数種のβ遮断薬のCYP2D6^*1、CYP2D6^*10、CYP2D6^*36におけるブフラロールの代謝に対する阻害作用を発現系を用いて検討した。 メトプロローノレ、チモロール、ピンドロールとも競合阻害であり、Ki値はCYP2D6^*1<CYP2D6^*10<CYP2D6^*36であった。遺伝子型により阻害の強さは異なった。 CYP2D6^*5のアレル頻度は我々の検討では4.5%存在し、日本人ではpoor metabolizerとなる遺伝子型である。CYP2D6^*10/^*5はCYP2D6^*10/^*10の遺伝子型より活性の低下が予想されるためメキシレチンと臨床試験中の抗精神病薬について遺伝子型による代謝能について検討した。メキシレチンについてはAUCおいてCYP2D6^*10/^*5はCYP2D6^*1/^*1に対して有意に高値を示した。臨床試験中の抗精神病薬ではCYP2D6^*10/^*10、CYP2D6^*10/^*5でAUCの増大が認められた。 CYP2D6^*5の遺伝子型の判定では簡便であるlongPCR法が汎用されているが、この判定法ではCYP2D6^*1であってもCYP2D6^*5と誤判定される遺伝子構造があることを見出した。
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[Publications] Tadaaki HANATANI, Tsuyoshi FUKUDA, Mayumi IKEDA, S.Imaoka, T.Hiroi, Y.Funae, Junichi AZUMA: "CYP2C9^*3 influences the metabolism and the drug-Interaction of candesartan in vitro"The Pharmacogenomics Journal. 1. 288-292 (2001)