2002 Fiscal Year Annual Research Report
再興感染症としてのPasuteurella症の発生状況調査とPCR法による疫学調査
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12470531
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
荒島 康友 日本大学, 医学部, 助手 (10167231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 忠生 日本大学, 医学部, 助教授 (00096760)
加藤 公敏 日本大学, 医学部, 講師 (90204461)
熊坂 一成 日本大学, 医学部, 助教授 (20096803)
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Keywords | Pasteurellosis / パスツレラ症 / Pasteurellas spp. / パスツレラ属菌 / 分離状況 / 疫学調査 |
Research Abstract |
我々は「本邦におけるPasteurella multocidaの分離状況」を1992年に発表した。 今回は、(1)感染症法でZoonosisが大きな柱の1つとなったこと、(2)前回の調査結果より、糖尿病、慢性呼吸器疾患、高齢者に本菌の分離された患者が多かったこと、等から、本菌による感染症の把握を再度行い、治療、予防に役立てる目的で、1992年以降の本菌の分離状況について調査を行った。 方法は、対象として臨床研修指定病院475病院を用いた。方法は、郵送にて、Pasteurella spp.分離状況のアンケート用紙を送付し、回答の回収を行った。 結果は、288病院から回答があり、そのうち203病院(70.5%)に本菌分離経験が認められた。分離数は1,148であり、1997年以降の4年間の前年度比の増加率は平均40.1%であった。また、呼吸器系の感染、および動物の咬・掻傷がともに約40%と高率であった。 今回の結果より、回答病院のうちの203(70.5%)が本菌を分離しており、10年前の115病院の44.6%と比べ顕著な増加が認められた。また、1997年以降の4年間の本菌分離の増加率は前年度比で平均40.1%と10年前と比べ著しい増加傾向を示した。 以上のことより、Pasteurella属菌の分離例が急激な増加を示していることから、従来以上に今後も本菌の動向に厳重なる監視と注意が必要と思われた。そして、現在、欧文ジャーナルへの投稿準備中であり、さらに、これらの病院の保存菌株を収集中し、今後、AB-PCR法を用いて疫学的検討を行い同様に欧文ジャーナルに投稿してゆく予定である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 荒島康友: "ペット由来感染症"臨床病理レビュー-特集号-. 121号. 253-259 (2002)
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[Publications] Hara H.: "Pasteurella canis osteomyelitis and cutaneous after a domestic dog bite"J. Am. Acad. Dermatol.. 46・5Suppl. S151-S152 (2002)
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[Publications] 荒島康友: "動物由来感染症"臨床と薬物治療. 22・1. 21-23 (2003)
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[Publications] 荒島康友: "ペット溺愛が生む病気(しのびよる人畜共通感染症)"講談社・ブルーバックス. 217 (2002)