2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
12470540
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Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
横尾 京子 広島大学, 医学部, 教授 (80230639)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
百田 由希子 広島大学, 医学部, 助手 (40314744)
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Keywords | 早産児 / 痛み / 顔面表情運動 / 行動 / 定量 / 指標 / フェイススケール / ペインスケール |
Research Abstract |
本研究の目的は、早産児の痛みの看護において、日常的な観察指標として活用できる行動学的指標を開発することである。平成14年度の目標は、痛みに対する顔面表情運動を定量的に、身体的動きを定性的に分析、相互の関連を明らかにし、さらに、これまでの研究結果から、ペインスケールとその使用ガイドラインを作成することであった。 顔面表情運動:在胎26〜31週の早産児10名の修正齢29〜36週において実施された採血・栄養チューブ挿入・栄養チューブ抜去・座薬挿入の71場面について、顔面表情運動を観察した。その結果、修正齢と顔面表情運動の間に相関は認めなかった。刺激の種類との関係については、栄養チューブ挿入・抜去は、採血時の穿刺・圧迫よりも、顔面面積(左右眼窩上縁・その中間・鼻根部の4点を結ぶ多角形の面積)の変化率は有意に少なく、定性的には顔面の皺形成部位がより少なかった。 身体的動き:NICUにおけるストレス緩和法としてネステイング(身体を包む)が当該施設では導入されたため、身体的動きは観察不可能となった。この方法は他の施設でも導入されているため、身体的動きは痛みの反応を評価する指標としては適さなくなることが考えられた。 ペインスケールとガイドラインの作成:顔面表情運動の定性的(皺形成部位)および定量的(面積変化率%)な変化の関係を分析した結果、4段階の表情を明らかにすることができた。表情1は眉間皺形成(変化率12.3±4.1)、表情2は眉間・鼻根(21.4±2.8)、表情3は眉間・鼻根・下眼瞼下(32.8±2.4)、表情4は眉間・鼻根・下眼瞼下・上眼瞼(40.9±4.2)であった。本スケールは鼻根部と両眼周囲の表情に特定しているので、気管内挿管等で口周囲が絆創膏で固定されている場合でも使用可能である。看護の実践現場で使用できるよう、対象や表情観察法等を説明したガイドラインを作成した。
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Research Products
(1 results)