2000 Fiscal Year Annual Research Report
女性の母性性、育児観、母性行動における母娘間の伝承性と社会環境の影響性について
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12470541
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
新道 幸恵 青森県立保健大学, 健康科学部, 学長 (30162796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 早苗 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (10315541)
大関 信子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (70315539)
城島 哲子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (80267872)
田中 克枝 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (40315544)
吉川 由希子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (50269180)
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Keywords | 母性性 / 母性行動 / 育児観 / 母娘間の伝承 / 質的研究 |
Research Abstract |
1.文献検索 本研究に関る関連分野について、過去50年間の文献検索を行い72の文献をレビューした。その範囲は、経済学、女性学分野の子育てと母性概念、母性概念、育児・子育て、虐待を含む家庭内暴力、いじめ・不登校を含む学校内暴力、である。 2.家族に関する学習会 社会学分野の研究者を招聰し意見交換を行った。社会学領域における日本の家族概念の転換と、戦後日本の家族機能の変化、特に団塊世代といわれるコホートの特徴について理解を深め、研究の方向性への示唆を得た。 3.質的研究に関する文献学習 研究者間での質的研究についての認識の統一を図るために、レイニンガー著「質的研究の方法」を用いて抄読会を行った。さらに、質的研究を実践した研究者から分析の具体的なプロセスについて情報を得た。 4.質的インタビューの準備と調査者のトレーニング 留め置き質問紙とインタビュー内容は、本学、倫理委員会の審査を受け承認された。調査者自身のツールとしての信頼性を高めるためにプレインタビューを行い、逐語録データを作成して調査者全員で振り返り作業を行うことで、インタビュアーの課題を明らかにしている。 5.プレインタビューの結果 世代間の子育て文化の伝承を把握するために、プレインタビューを行った。対象者は青森市内に在住し、子育て経験がある、母親世代60歳台、娘世代30歳台の親子3組6名である。分析作業中の現段階では下記のような傾向が認められた。(1)育児観や母性行動には、育児する周辺の環境が影響している、(2)母と娘は同じような育児スタイルを持っている、(3)育児行動は言葉などで伝えられるだけでなく、日常の生活環境の中で伝わっている等である。これらの結果を踏まえて、今後、年齢層や家族構成、職業の有無等、対象抽出を拡大し、質的インタビューを重ねる予定である。
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