2002 Fiscal Year Annual Research Report
女性の母性性、育児観、母性行動における母娘間の伝承性と社会環境の影響性について
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12470541
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Research Institution | Aomori University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
新道 幸惠 青森県立保健大学, 健康科学部, 学長 (30162796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益田 早苗 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (10315541)
大関 信子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (70315539)
城島 哲子 青森県立保健大学, 健康科学部, 助教授 (80267872)
佐藤 愛 青森県立保健大学, 健康科学部, 助手 (60315546)
吉川 由希子 青森県立保健大学, 健康科学部, 講師 (50269180)
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Keywords | 母性性 / 母性行動 / 育児観 / 母娘間の伝承 / 量的研究 |
Research Abstract |
1.はじめに 本研究の3年目にあたる今年度は、1年目の文献検討、2年目の面接調査の成果を元に量的研究としての質問紙調査を行った。ここではその詰果を要約して述べる。3年間の経過については報告書にまとめて報告する。 2.質問紙調査 (1)目的:子育てをしてきた母親の意識や価値観、育児の方法がどのように影響を受けたか、また母親の世代から娘の世代に伝えられる育児の方法がどのように影響を受けたか、新しく出現してきた子育て文化は何かを明らかにすることを目的とした。 (2)方法:青森県2市および東京近郊において乳幼児健診受診、一般健診やがん検診等のため健診センターを利用した子供を持つ様々な年齢の女性、また育児サークルに参加していた女性1162名を対象に質問紙調査を実施した。調査項目は、「属性」「幼少時の環境」「子供の属性」「育児について」であった。収集したデータは統計パッケージSPSS10J for Windowsを用いて分析した。 (3)結果 (1)対象属性について:回収率は59.5%で、965名の回答が得られた。対象者の年齢層は30歳代が最も多く30.7%、範囲は20〜80歳以上であった。子供の数は平均2.12±0.8人、第1子の年齢は19.8±14.5歳であった。 (2)母性性・母性行動・育児観への親子間の影響性について:「育児に影響を与えた考え」ではどの世代においても「母親の教えや意見」が最も多かった。また「育児に影響を与えた人または育児モデルになった人」についても、どの世代においても「実母」が最も多く挙げられ、親子間の影響性が推察された。 (3)母性性・母性行動・育児観への社会・文化等の影響性について:子育て時の行動で「おんぶ」「抱っこ」「添い寝」の頻度において世代間で違いが見られ社会・文化的影響が推察された。また、「育児・家事でゆとりにつながったもの」では、内容に世代間で違いが見られ社会的環境の影響性が推察された。 3.まとめ 質問紙調査により、母親の意識や価値観については、母世代から娘世代への影響性があることが伺えた。また、子育てをしていく環境の中での周囲のサポート体制や内容については、社会的背景の影響性があることが伺えた。
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