2002 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者における下肢抵抗性運動トレーニング-心機能および末梢循環からみた安全性および効果-
Project/Area Number |
12480004
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Research Institution | Univeisity of Tsukuba |
Principal Investigator |
鯵坂 隆一 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (70151058)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久野 譜也 筑波大学, 体育科学系, 講師 (70242021)
西嶋 尚彦 筑波大学, 体育科学系, 助教授 (50202239)
松田 光生 筑波大学, 体育科学系, 教授 (20110702)
渡辺 重行 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (90251058)
武田 徹 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (10197311)
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Keywords | 高齢者 / 抵抗性運動 / 血圧 / 心筋虚血 / 不整脈 / 心疾患 / 呼吸 / 安全性 |
Research Abstract |
1)下肢抵抗性運動の安全性 75歳以上の後期高齢者20名(77.1±1.9、75〜81歳)について下肢抵抗性運動の安全性を検討した。9名(45%)において、高度血圧上昇(収縮期血圧180mmHg以上)を、1名(5%)において強い筋肉痛を認めた。サンプル数が少ないなどの制約はあるが、後期高齢者においては高頻度に合併する高血圧および低体力のために運動への動機の高い者でも抵抗性運動の危険(とくに血圧上昇)がより高く、慎重な対応を要すつことが示唆された。 心疾患患者における検討では心機能低下例で非持続性心室頻拍を認め、冠動脈疾患患者18例において症状が安定し、運動中胸痛および虚血性ST変化を認めなかったにもかかわらず、8例(44%)において可逆性心筋灌流異常を認めた。症状の安定した心疾患における抵抗性運動の安全性は確立されていると言われているが、本研究の結果から再検討を要すると考えられた。 2)下肢抵抗性運動の末梢循環への効果 中高齢者54名(年齢67±5歳)を対象とし近赤外分光法を用いて下肢抵抗性運動における運動筋(大腿外側広筋)の血液量および酸素化動態を評価した。運動により、血液量指標は有意に(p<0.01)増加した。血中総コレステロール濃度のみが血液量増加と有意の負の弱い関連を認めた。中高齢者において、高脂血症が抵抗性運動における運動筋の血液量増加反応低下に関連することが示唆された。酸素化動態とは大腿皮脂厚、最大挙上車量が有意の関連を認めた。中高齢者において、下肢抵抗性運動により運動筋の酸素化は中強度までは強度依存性に亢進するが、強度がさらに強くなると酸素化亢進が減弱する傾向を認めた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 鯵坂隆一: "下肢レジスタンス運動における活動筋血液量動態-中高年女性における検討-"脈管学. 42・補. 20-23 (2002)
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[Publications] 鈴木康文: "女性冠動脈疾患患者における下肢レジスタンス運動の安全性-運動様式の差異による比較"心臓リハビリテーション. 8・1. (2003)
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[Publications] 鈴木康文: "高血圧を有する中高齢者における下肢レジスタンス運動の安全性および呼吸指導の効果体力科学"体力科学. 52・補. (2003)
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[Publications] 鰺坂隆一: "高齢者における運動の心血管系安全基準および対策"体力科学. 52・補. (2003)