2001 Fiscal Year Annual Research Report
日本人の生活遂行能力(ライフ・フィットネス)に関する研究
Project/Area Number |
12480007
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
金久 博昭 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50161188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋間 広 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (40292841)
川上 泰雄 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (60234027)
深代 千之 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (50181235)
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Keywords | 生活遂行能力 / 加齢 / 体幹筋量 / 超音波法 / 歩・走パワー / トレーニング / 中年女性 / 身体組成 |
Research Abstract |
本研究は日本人の生活遂行能力(ライフフィットネス)の現状の把握とそれを維持・増進するための方策を探ることを目的としており、実施2年目となる平成13年度は、昨年度と同一の項目による横断的測定を実施することでデータ数を増やすと同時に、体重負荷による運動プログラムが身体組成および生活遂行能力に及ぼす影響について中年女性を対象に検討した。その主な結果は以下に示す通りであった。 1)横断的測定結果:本年度は体肢に加え体幹部の筋量についても検討を加えた。その結果、超音波法により測定した腹部の筋厚は下肢の筋群のそれと同様に加齢の影響を受けやすいことが明らかになった。そのような体幹部筋量の低下は腰痛の発生と関連することが予想され、今後、生活遂行能力を身体組成から評価するうえで体肢のみならず体幹部も含めた組織量の測定が必要であることが示唆された。また、下肢筋群の機能について膝伸展パワーおよび歩・走パワーの測定結果も加え検討したところ、等尺性筋力よりも動的な状態で発揮されるパワーの方が加齢の影響を受けやすいことが明らかとなった。 2)運動プログラムの影響:中年女性30名を対象に、体重を負荷とする運動プログラムを6ヶ月間にわたり実施し、その効果について検討した。その結果、週5日以上の頻度で運動を実施した者の場合に、トレーニング期間終了後、皮下脂肪量が減少し、体脂肪率が低下する傾向がみられ、椅子の坐り立ち、膝伸展パワー、走スピードといった身体機能に関する測定結果も有意に改善された。しかし、下肢の筋群を強化する運動種目が含まれていたにもかかわらず、下肢筋群の筋量には有意な変化が生じなかった。その原因が外的な負荷を課さなかったため過負荷の原理を満たすことができなったことによるものか、あるいは日常生活において体重が負荷となりやすい下肢筋群の特性を反映したものであるかは、今後の検討課題として残された。
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